liddell coffee house リデルコーヒーハウス

【大切なお知らせ】2022年1月2日から、 次のように店の方針を変更しています。「 3名様以上の人数でのご来店は、お断りしています。」 つまり1~2人で、ご来店ください---ということです(3人以上で座れるお席はございません(_ _))。実際のところ、今は90%くらいが「おひとり様」のお客様です。

2014年09月

教育社会学者の苅谷剛彦さんが編著者になっている書籍、

『「地元」の文化力』 苅谷剛彦編著(2014) 河出書房新社刊

を読んでいたときのこと(そもそもこの本、内容から見て苅谷氏が一枚噛んでいるのはなぜだろう? と思ったのが購入動機)。

苅谷氏以外に7名の大学教授等が執筆分担して、日本各地をフィールドワークしたレポート集。

対象地域は、

岩手県遠野市 「遠野物語ファンタジー」

長野県飯田市 「いいだ人形劇フェスタ」

北海道壮瞥町 「昭和新山国際雪合戦」

沖縄県那覇市と周辺 「琉球國祭り太鼓」

茨城県取手市 「取手アートプロジェクト」

あ~ら、飯田市が入ってる。

下伊那地域に住んで9年目を迎えていますが、皆さんの「意識」を私が意識することも特別なかったので、興味深い記述に、「へぇ~~!」の連続。

特に、吉川徹氏のこのあたり(↓)。

-----------------以下引用(強調BLOG主)

やはりここでも、親、子、孫……と何代にもわたって「高校を卒業したら、ひとまず飯田を出る」という流れが続いているようだ。

しかも飯田の場合は、そうした都市流出を経て地元にUターンしてくる経路を、たいへん好意的にみている様子がうかがえる。

地域にずっと定住している人たちと、都会暮らしの経験者とのコンフリクトはあまり目立たず、どちらも地元の人という共通性で緒ばれているように感じられるのだ。

むしろ、Uターンしてきた人たちが地域の将来構想、行政運営、さまざまな市民活動を担う人材として随所で活躍している様子がみてとれた。

若年層の流出先としては、距離の近い松本市や県庁所在地である長野市もあるのだが、飯田が県内で存在感を発揮することは、それほど重視されていないようにみえる。

かといって、天竜川下流の三遠地域、高速道路でつながる中京圏との関係が特段に強いわけでもなさそうだ。

そうした近隣地域間の分散的な力学もあってのことか、どうも「飯田を動かす人材になるには、県立飯田高校から首都圏の大学に進学することが条件だ」というような見方があるようだ。

現市長が進学流出から財界経験を経たUターン経歴をもち、その改革積極路線が市民に支持され、多選が実現していることは、これを象徴するものといえる。

要するに飯田には、中京圏の経済でも、長野県内の行政でもなく、ダイレクトに東京のエリート性を見据える土地柄があるのだ(*9)。

こうした傾向は、全国の城下町で、旧藩校に由来する公立進学校をもつところではしばしばみられる。


(*9) 飯田市は結い(UI)ターンプロジェクトとして、都市部からの人口の受け入れの取り組みを行っている。

そこでは純粋な意味でのIターンを受け入れることも積極的に考えられている。

飯田の人は「よそ者」に概して親切で、とても付き合いやすい。

きれいな水が随所に流れており、東西の山が美しく、利便性も確保されているという点で、多くの人が魅力を感じ
る地方都市であることはよくわかる。

-----------------引用終了

これを執筆した吉川(きっかわ)徹氏は大阪大学教授。

私は初め、同姓同名(漢字表記)の吉川(よしかわ)徹氏を思いついた。

元望月町長の吉川徹氏はこーゆーことも研究してるんだぁ!--などと思って、奥付を見ると別人でした(因みに、吉川(よしかわ)徹氏は、元東大総長・吉川弘之氏の実弟)。

「権威に弱い」人が多いという印象は、こーゆーふーなエリート性信仰の裏返しであるわけですね(これも、かつて中心性のあった地方都市に共通するメンタリティ)。

じゃぁ、どれくらいの学生が頭脳流出しているのか?

先日(9月中旬)の地元紙(南信州新聞)によれば(↓)、

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地元で就職を希望している生徒 407/1543 

ほぼ1/4のみ(へぇ~、男子のほうが地元に就職を希望している数、多いんだ)。

残り、3/4は流出か。

そのうち環流(Uターン)してくる生徒の割合ってどれくらいなんだろう(追跡調査している高校って、ないんじゃない? 行政はしているかもしれんが)?

「地方出身の若者たちは、有為な人材であればあるほど流出先の都会で自分を生かす場をみつけてしまい、なかなか都合よく地元に戻ってきてはくれない。」

という指摘もある(吉川徹)。

誤解の無いように断っておくと、Uターン組が「有為」な人財じゃないから、地元に戻ってくるというわけではありません。生徒個人それぞれの持つバックグラウンドが、「そう」たらしめているんです。

そーゆー人財をどう配置して、活躍の「場」を用意するか。

これって「地域」のマネジメントそのものですね(それも行政だけじゃできない、かといって民間だけでもできない、隙間のNPOでも)。


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。日本中、「晴れ」模様。

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今日のストームグラス(↓)。

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特別、意味はありません。

たぶん昭和三〇年代のものと思われます(↓)。

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飯田市知久町、82bkの看板のロゴも懐かしゅうございます(念のため、昭和三〇年代当時を知っているというわけではなく、現在のロゴが1991年に制定されたものなので、そりゃあ昔のも覚えておりまんがな)。


周期的にカレーが食べたくなってきたので、以前に購入してあった「豆(ダルorダール)カレー」を開封しました。

これは日泰寺参道にある「えいこく屋」で購入したもの。

もともと「えいこく屋」は紅茶葉の販売をしていたお店なんだけど、いつの間にか手広く「インド関係」の商品ラインナップを構成しています。

これ(↓)。

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右上に描かれているインド人だと思われるイラスト、アップ(↓)。

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ターバンをしているだけで、「インド人!」って思われそうなイメージが、日本では定着していますが、それはミスリードされたイメージ。

殆どのインド人、してませんしねぇ。

しているのは、シーク(シク)教徒。

彼らの海外での活躍が日本でもインプリントされて、定着しちゃったんですね。

「インド人=ターバン」って。

で、そーそー、豆カレー。

お皿にあけてみると(↓)、

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具のほとんどがひよこ豆。

裏面の表示を見てみましょう(↓)。

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ひよこ豆の前に、たまねぎが記されていますが、ルーの中には見当たりません(具はほぼひよこ豆だけなんです)。

炒めたり煮込んだりする中で溶けちゃったのか(この順番からいくと、皿にあけたときこれほどのプレゼンス感があるひよこ豆よりも、玉ねぎのほうが多いわけ)

ん~~。

ひよこ豆って、上手に煮ると栗みたいな感じになりますよね(美味しゅうございます)。

ごちそうさまでした。

(ひよこ豆を食べたくなってきたので、検索してみます。)


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。飯田の今日の予想最高気温は29℃。伊那谷の空には御嶽山の噴火による火山灰は来てないみたい(下伊那地域は、ね)。

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今日のストームグラス(↓)。非常に安定しています。結晶も底に沈殿してキレイ。

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iPhone6が発売されて、3日間で1000万台が売れました・・・・・・・とニュースで言っていましたが、あれってニュースバリューってあるんだろうか?

Appleの販促そのものじゃん、それも「タダ」でニュース扱い。

それはそうと、iPhoneって、

“Designed by Apple in California, Assembled in China”

って、記されているそうですね(「アップルがカリフォルニアで商品企画して、中国で組み立てた」商品という意味)。

持ってないから知らないんです。

センター試験(地理B)を作るヒントになりそうなモノの製造方法が、その一文に凝縮されているように思うのです。

なんでこんな書き出しなのかというと、琴坂将広氏のレポートを読んだから。

iPhone6では、

「日経新聞の推定によれば、iPhone6においても、カメラ部品はソニー、液晶パネルはジャパンディスプレイやシャープ、高周波部品は村田製作所やTDK、そして太陽誘電、またLEDのバックライトモジュールはミネベアといった日本企業が部材を提供しているといいます。」

それらのパーツをAppleがアメリカで商品企画して、中国のフォックスコンが組み立てて出荷する---というビジネスモデル(Global Value Chainというのだそうな)。

琴坂将広氏は独自にOECD-WTO Trade in Value Added (TiVA) - May 2013からデータ分析して、あるグラフを作成しています。

各国の電子・光学機器総輸出高に占める海外で生産された付加価値の割合のグラフ(↓)。

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問題1:グラフ中の1~3に該当する国名の正しい組み合わせを答えよ。

①:1シンガポール 2韓国 3日本

②:1シンガポール 2日本 3韓国

③:1韓国 2シンガポール 3日本

④:1韓国 2日本 3シンガポール

⑤:1日本 2韓国 3シンガポール

⑥:1日本 2シンガポール 3韓国


同様に、各国の総輸出高に占める海外で生産された付加価値の割合の時系列変化のグラフ(↓)からの問題。

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問題2グラフ中のA~Cに該当する国名の正しい組み合わせを答えよ。

①:Aシンガポール B韓国 C日本

②:Aシンガポール B日本 C韓国

③:A韓国 Bシンガポール C日本

④:A韓国 B日本 Cシンガポール

⑤:A日本 B韓国 Cシンガポール

⑥:A日本 Bシンガポール C韓国


いかがでしょうか?

問題1、2共に正解は⑤。

基礎技術の裾野が広く、それをベースとした先端技術も自国のモノとなっている国(日米独)は数値が低く、新興国(NIEs、BRICS等)はそれらを他所の国から持ってきて安い労働力で組み立てるだけだから、高くなる。中でもシンガポールはそーゆーことを国是としてやっているフシがあるので(建国の時代から、中継・加工貿易で食べていくという政策)、最も高い数値である(これからのシンガポールは変わっていくかもしれないけど)。

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琴坂氏のレポートのタイトルは、

「日本製」や「中国製」というタグは、もう意味がない--グローバリゼーション3.0の本格到来

というものでした。

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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。

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今日のストームグラス(↓)。

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男子トイレのみにしか置いてない「お願い」の表示。

以前は野村陽子さんの細密画(レンゲツツジ)だったのですが、さすがにもう9月下旬ですから。

そんな折、かんてんぱぱの通販パンフレットと共に、常に同封されている絵はがき・・・・・・・。

いつも、野村陽子さんの植物細密画(ボタニカル・アート)と塚越会長の写真が数枚ずつ。

ありがたいことでございます。

で、

今回は塚越会長のこの絵はがきを用いることにしました(↓)。

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昨日の LAS SILLAS stacking game の動静は、崩 → 創 → 崩 → 静 → 創 という、1日にしてはイソガシイ変化でした。

で、

今日現在は、Nさんが積み上げたこのような造形(↓)。

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影(↓)。

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表紙を開くと、大きな木の切り株、そこに刻まれた年輪のド・アップ(木曽の桧、樹齢約320年だそうな)。

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「年輪経営」--私たちの目指す年輪経営が、最近注目されるようになってきました。

で始まるメッセージが記されています。

これは、トヨタ自動車の豊田章男社長が、「色々な形で勉強させてもらっています」とインタビューで語った、日経ビジネスオンラインの記事を受けてのことだと思う。

2014年6月30日のインタビュー記事で、豊田社長は次のように述べています。

-----------------以下引用

問:リーマン・ショック前の急拡大で、それまでトヨタの強みだった現場がおかしくなったという認識はありますか。

豊田:それは歴史が評価するでしょう。

ただ、人材育成のスピードをはるかに超えたスピードで規模が拡大したことだけは確かです。

私は最近、「年輪」という表現を使います。

持続的成長のために、商品と人材で年輪を1本ずつ刻んでいくのです。

それにはペース配分が大切です。

トップが、普通の木を10年で屋久島の屋久島杉にしようと言って突き進むと、どこかで折れてしまう。

それを私はやらない。

私は太陽となり、土となります。

それで、副社長が水をまき、多少色気のある本部長は肥やしをやる。そんなイメージです。

-----------------引用終了

これって、まさに伊那食品工業のスタンス。

かんてんぱぱの通販パンフレットの文面には、どこにも豊田社長の「と」の字も出てきません。

多少注目されても、常にマイペースの「年輪経営」。

日本の地方には、こーゆー系の「良い会社」がけっこうあるみたい(だからK投信が好きなんです)。

さて、今回は何を花王かな(いやもとい、買おうかな)。


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。台風一過の良い天気と涼しい秋風。

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今日のストームグラス(↓)。

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ユーティリティールームの「三日坊主めくり」カレンダー。

9月25日・26日・27日の3日分で、今回の格言(!?)は(↓)、

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2006年の今日(9/26)、facebookの一般公開が開始されたんだそうです。

あたしゃいまだにやってないけど、「いいね」の隣りに「いんねん」ボタンも用意すればいいのに・・・・・・・と、思ってしまうのでした。

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昨日から、再度LAS SILLAS stacking gameを造形しました(↓)。

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影を(↓)。

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これを崩して、自分だけの造形を作るプロセスをお楽しみください。


平成26年版の自殺対策白書では、47都道府県別のデータを公開しています(↓)。

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山梨県が突出しているのは、「青木ヶ原樹海」があるからでしょう。

自殺にも様々なスタイルがあって、決行場所で大まかに分けると、

約50%が自宅で首吊り、薬物使用、

約40%が近場の高層ビルや線路への投身、

残りの10%弱が海や山へと出かける「出張自殺」なのだそうな。

その「出張自殺」として人気があるのが、山梨県の富士山北麓に広がる青木ヶ原樹海。

実は以前に読んだ本、『からくり民主主義』 高橋秀実著(2002)草思社刊 でのレポートに触発されて、山梨県南都留郡足和田村(現・富士河口湖町)の西湖民宿村まで伺ったことがあります。それも積雪があった2月。

民宿村から雪を踏みしめた足跡が樹海の中へと続いている・・・・・・・。

跡をたどってみました。

(以下略)







さて、

『生き心地の良い町~この自殺率の低さには理由がある』 岡檀(おか まゆみ)著(2013) 講談社刊

の中で著者は地図会社の協力を得ながら、自殺率を左右する要因を本人属性とは別に、次のように抽出します。

-----------------以下引用(強調BLOG主)

解析の結果、自殺率を高めたり低めたりするのにもっとも影響をあたえていたのは「可住地傾斜度」であり、次いで「可住地人口密度」「最深積雪量」「日照時間」「海岸部属性(海に面していること)」の順であった。

このうち可住地傾斜度と最深積雪量は、その値が大きくなるほど地域の自殺率が高くなり、その反対に、可住地人口密度と日照時間、海岸部属性については、値が大きくなるほど自殺率が低くなるという傾向を示していた。

これらの結果を総合すると、日本の自殺希少地域の多くは、「傾斜の弱い平坦な土地で、コミュニティが密集しており、気候の温暖な海沿いの地域」に属していると解釈することができる。

また、日本列島を取り巻く海洋を五つの海域に分割した場合、自殺希少地域は太平洋沿いの自治体にもっとも多く存在することがわかった。

自殺多発地域の特徴はこの逆である。

険しい山間部の過疎状態にあるコミュニティで、年間を通して気温が低く、冬季には雪が積もる地域」に多いという傾向が示されている。

自殺希少地域である海部町、自殺多発地域であるA町の地理的特性の差異は、まさにこの対比に当てはまっている。

-----------------引用終了

都道府県別のグラフでも、青森・岩手・秋田・新潟・島根等が該当しており、特に秋田は県をあげて自殺対策を推し進めてきたのは、周知の通り。

地域のコミュニティの大切さが喧伝される中、著者はその「質」にも言及しています。

それは「絆」とか「つながり」といった、もてはやされやすい言葉について、です。

-----------------以下引用(強調BLOG主)

自殺希少地域にも多発地域にも同じように「絆」や「つながり」があるのだとすれば、それらは必ずしも自殺を抑制する要素として機能していない、という理屈になる。

私は、人々が「絆」「つながり」と呼んでいるものの本質やそれに対する人々の意識に、地域によって差異があるのではないかと考え始めた。

試行錯誤しながら研究を進めた結果、自殺希少地域である海部町では、隣人とは頻繁な接触がありコミュニケーションが保たれているものの、必要十分な援助を行う以外は淡泊なつきあいが維持されている様子が窺えた。

対する自殺多発地域A町では、緊密な人間関係と相互扶助が定着しており、身内同士の結束が強い一方で、外に向かっては排他的であることがわかった。

二つのコミュニティを比較したところ、緊密な絆で結ばれたA町のほうがむしろ住民の悩みや問題が開示されにくく、援助希求(助けを求める意思や行動)が抑制されるという関係が明らかになった。

つまり、二つの地域の住民は同じように「絆」や「助け合い」という言葉を口にしていたが、その本質には大きな差異があったのである。

このことを通して私は、通説の功罪について考えるようになった。

人との絆が自殺対策における重要な鍵であるとする主張自体は、まったく間違っていない。

私自身もまた、かつてはこの通説をよく引用していた。

ただし今ふり返って思うのは、その言葉を引用するだけであたかも何かを伝えた気になって安心してしまい、思考停止してはいなかったかということである。

よりこまやかに内容を検討し、さまざまな場面に当てはめて検証していくという作業を、かつての私は怠っていた。

通説にはこれを用いる人々の思考を鈍らせるという副作用がある。

それが耳触りのよいメッセージである場合にはさらに用心すべきであることを、肝に銘じておきたいと思っている。

-----------------引用終了

いますよね、常に正論を吐いていい気になってる人。

だれもそれに異は唱えられるはずもなく、かといって状況が良くなるはずでもないのに、「それ」を言うことで何か事態が良くなっているような錯覚になって、結局、なにも改善されずじまいのコト。

いつまでたっても変わらないことと、変えるべきコトとのバランス、「不易流行」がわかっているところは、たぶんこれからも大丈夫でしょう。

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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。

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今日のストームグラス(↓)。

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もう既にこのBLOGには登場しているものですが、今週号のan・anに掲載されていたので、再び登場です。

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店内に置かれた実際は(↓)、

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上から(↓)。

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これは「AXIS」誌にTechnics SL-1200の件で協力した際のお返しの品。

お気に入りの照明のひとつです。



自殺に関心があります。

自殺の「やり方」ではなくて、自殺をとりまく社会的要因等に関して、です。

前者だったら(一部で名作の誉れ高い\(◎o◎)/!)『完全自殺マニュアル』 鶴見済著(1993) 太田出版--があるので、それを見ればいいでしょう(最新の状況を反映させた「改訂版」って出ないんだろうか? たぶん、ムリでしょうねぇ。出版されたあのころでもブツギをかもした本だし、当時と今とでは、今のほうが出版を巡る状況は悪くなってるし)。

そもそも自分は「自殺したい!」って思ったことが、これまで一度もなかったし、これからも(たぶん)ないと思う(明石家さんま師匠のように、「人生、生きてるだけで、丸儲け!」という境地までは、まだまだですが・・・・・・・。)

で、

自殺をとりまく社会的要因等に関しては、内閣府の「自殺対策白書」をみれば、そこそこ状況はわかります。

そこに書かれていることだけで、納得してしまう人もいるのでしょうが、世の中には逆転の発想で自殺要因を見る人がいます。

先日、一気に読了したこの本(↓)。

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『生き心地の良い町~この自殺率の低さには理由がある』 岡檀(おか まゆみ)著(2013) 講談社刊

久しぶりに、読み始めたら止まらない本でした。

内容が「自殺」に関しての社会学的分析本なのに、です。

サブタイトルにもあるように、著者の岡さんは「自殺率の低い自治体」に注目します。

それがどこかというと、徳島県海部町(現在は平成の大合併によって、海陽町になっていますが、フィールドワークは旧・海部町で実施)。

場所は、ここね(↓)。

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参考になるところを引用します。

-----------------以下引用

かつて日本社会の大部分を占めていたコミュニティでは、住民ひとりひとりに与えられる身分や役割はその人の資質とはかかわりなく、生まれ落ちたときからほぼ決められていた。

地主か小作か、本家か分家か、長男か次男か、その出自によって、残りの人生すべての見通しがついてしまうという時代があったのである。

社会人類学者である蒲生正男は、こうしたコミュニティを、「状況不変のイデオロギー」に支配された社会であると指摘している。

状況不変のイデオロギーに支配されたコミュニティにおいても、人間観察は当然行われていたであろう。

しかし少なくともその観察は、地域のリーダーを選ぶために用いられる観察とは違う。

ここでは、リーダーを決める条件は本人の資質よりもまず出自だからである。

ところが、状況可変のコミュニティである海部町--誰をリーダーとして担ぐかを自分たち自身で決めなければいけなかった海部町では、真剣さの度合いが違う。

そうこうするうちに、他者を観察し評価する感性や眼力が研ぎ僚まされていったのではないか、と思えてくるのである。

住民を対象としたアンケート結果を見ても、海部町は他の地域に比べ、リーダーを選ぶ際の条件として、年齢や職業上の地位よりも問題解決能力を重視する者が多かった。

海部町民がいみじくも指摘したとおり、この町の人々は他者への「関心」が強く、ただしそれは「監視」とは異なるものである。

一方、状況不変のイデオロギーに支配されたコミュニティでは、固定した階層や役割分担、人間関係を維持し統制する必要から、これを乱す因子を早期に発見するための「監視」が不可欠ではなかったか。

表出された行動だけを見ていても区別しづらい「関心」と「監視」。

しかし根本的に異質であるこの要素が、海部町コミュニティを独特ならしめている。

(中略)

地縁血縁の薄い人々によって作られたという海部町の歴史が、独特のコミュニティ特性の背景にあると言いたいのである。

町の黎明期には身内もよそ者もない。

異質なものをそのつど排除していたのではコミュニティは成立しなかったわけだし、移住者たちは皆一斉にゼロからのスタートを切るわけであるから、出自や家柄がどうのと言ってみたところで取り合ってももらえなかっただろう。

その人の問題解決能力や人柄など、本質を見極め評価してつきあうという態度を身につけたのも、この町の成り立ちが大いに関係していると思われる。

そして、人の出入りの多い土地柄であったことから、人聞関係が膠着することなくゆるやかな絆が常態化したと想像できるのである。

長い歴史をもつ地方の町村では、隣人とのつながりが強く相互挨助の精神が深く根づいているとする一面的な見方が多い。

しかし、自殺希少地域である海部町のコミュニティでは、自殺多発地域に比べはるかにゆるい絆を有しているという新たな知見が、自殺予防を考えていく上での重要なヒントになると考えている。

-----------------引用終了

海部町の成り立ちは、大坂夏の陣で灰燼に帰した関西の都市の再興時に、木材を伐採・供給するための集散地としてスタートしたのだという。

だから、移住者たちは皆一斉にゼロからのスタートを切る」都市としての歴史なのだ。

でも、それだけじゃなくって、

-----------------引用開始

海部町民が他の地域より強い「自己効力感(有能感)」を持ち、世の中で起きている事柄に対しなんらかの影響を与えられると信じる人々であることは、他者への評価が人物本位主義であるこの町の特性とも深く関係しているだろう。

自身では如何ともしがたい出自や財力で一生が定まっていくのではなく、人それぞれに異なる能力や心根によって評価されていると実感できる社会では、そうでない社会に比べて、自らの人生に取り組む姿勢に違いが生じるのは自然の流れといえる。

また、海部町では、人と人とのつながりがゆるやかである。

人への評価は良くも悪くも固定しないし、ひとたび評判を落とせば二度と浮上できないというスティグマ(*1)を、恐れることなく生きていくことができる。

人聞関係が膠着していないという環境も、人々の気持ちを楽にする。

自分の暮らすコミュニティ内でもしもひとつの人間関係がこわれたとしても、別の関係が変わらず生きているという確信があれば、その者の気持ちはどれだけ軽くなることか。

そして何よりも、「一度目はこらえたる(許してやる)」という態度である。

挽回のチヤンスがあると思えること、やり直しができると信じられることが、その者の援助希求を強く後押ししている。

かくして問題(*)は地下に潜らず開示へと向かう。

-----------------引用終了

(*1)烙印

(*2)「うつ」の傾向など、自殺の要因になりかねない問題等--BLOG主注

オモシロかったのは、海部町民が周辺町村から「生活していく上で賢い」と思われていること。

どういうことかというと、

「海部町の人は、他地域の人に比べ、世事に通じている。機を見るに敏である。合理的に判断する。損得勘定が早い。頃合いを知っていて、深入りしない。」

のだそうだ。

ムラ社会とは対極、とまではいかなくても、それにない要素を持っているコミュニティなのは確からしい。

「地方で第二の人生」を送る際、その「地方」に必要な要素が、海部町にはそろっています(都会人にとって、地域コミュニティから「関心」を持たれることはよしとしても、「監視」されるムラ社会には、耐えられませんから)。

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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。お店やってるなんんてもったいないくらいいい天気。

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今日のストームグラス(↓)。なのに結晶の量は多いです。

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