南信州は信濃の国のどん詰まりですから、私は勝手に “Deep South” と呼んでいます。
そーゆー所に住んでいると、「息が詰まる」こともあるので、時折、海を見に行きます---というふーなブログを以前に書きました(こちら)。
「息が詰まる」その理由は、地勢的なものにある---自然決定論ではないですが、そーゆー面が大きいのではないか?・・・・と思っていたのですけど、どうやらそれだけではないらしい。
というのも、ニンゲンは社会的な動物ですから・・・・・(^_^)。
この前、貞包英之先生(立教大学准教授)の次のようなコラムを読んで、「あっ、ナルホドねぇ~!」だったのです。
-------------引用開始
近年、大学進学のため、また大学卒業後に就職のために地方を出る人びとはかならずしも減っていないのに対し、進学や就職のため県外に出る高卒者や専門学校卒の人びとは減少している(学校基本調査)。
それはつまり移動が階層化されていることを意味しよう。
学歴、そしておそらく特別の資産やコネをもたない者は、地方を出づらい傾向が高まっているのである。
言い換えるならば、「移動できる者」と「できない者」の二極化が、地方では進んでいる。
近年、国境さえ超える社会的な移動が活発になっていることがしばしば話題になっているが、移動の拡大には、あくまで学歴的、資産的な偏りが大きいのである。
問題になるのは、そのせいで地方社会の風通しが悪くなっていることである。
学歴に優れ、資産を持つ「社会的な強者」がいち早く抜けていく地方で、なお留まる人びとには、これまで以上に地元の人間関係やしきたりを大切にすることが迫られる。
地方を出る可能性が低いとすれば、それらを何よりの資源としてサバイバルしていかなければならないためである。
結果として、地方には、「地域カースト」的とでも呼べる上下関係が目立つようになっている。
移動の機会の減少は、それまでの人間関係を変え、ちがう自分になる可能性を奪う。
それによって子供のころからの関係がたびたび持ちだされ、補強されていくのであり、そのはてに飲み屋や「まちづくり」の場などで大きな顔をするのはいつも一定の集団――最近「ヤンキーの虎」などと呼ばれもてはやされ始めているが――になり、そうではない人は地元でこっそり暮らすという分断が、地方社会で強められているのである。
-------------引用終了
コラムのタイトルは、「移動は階層化し、地方は閉塞する」。
当地ばかりではなくて、日本の各地で同様の現象が見られるんでしょう。
文中、「ヤンキーの虎」が出てきます。コレについても、1年ほど前に話題となっていたので、以前のブログで触れています(こちら)。
つまり、「息が詰まる」のは自然的な背景と社会的な状況があってのことだったのか---そー考えると、腑に落ちましたo(^-^)。
2000年代以降、言われてから久しい指摘ですが、「地域格差は人間力格差(by山田昌弘氏)」に由来している---ということ。
山田先生が指摘していたのは、既に10年以上前。2017年の今、じわじわと効いてくる、そんな時間が経過していますね。
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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。今朝は快晴だったのに・・・。
今日のストームグラス(↓)。