2018年06月
藻谷浩介さんの対談本から・・・・。
ここのところ藻谷浩介さんの対談本を立て続けに読んでいて、「はぁ、ナルホドねぇ~!」と思った発言がありました(↓)。
----------以下引用(長いですぜ。強調はBLOG主)
藻谷: 先ほど大都市圈の「効率」重視についての話が出ましたが、限界集落も、まさに、「この場所は効率が悪いからいらない」と切り捨てられる対象になりうるわけですよね。
ただ、そういう考え方を突き詰めると、一体どうなるか。
まず、自分の町の中の周辺集落は、お荷物だからいらないと言いだします。
すると次に、今度は県の中心地帯と比べて「この町自体がいらない」と言いだす。
その次は、他県と比べて「この県も、いらないんじゃないか」となる。
結局、「全員、東京に行けば?」ということになるんですが、それを言いだすと、実は「世界の中で、日本はいらない」という話になります。
だって、世界各地からこの東の端の島国にわざわざ資源を運んできて、製品を作ってまたもとのところに戻すなんて、エネルギーの無駄ですよね。
しかも、極めて天災の多い列島に、これだけ大きな生産力、経済力があるのは世界経済のリスクです。
だとしたら、日本はなくなったほうがいいんじゃないか。
人間はおもしろいもので、自分の周辺に対しては圧力をかけるくせに、自分より中心にあるものに対しては、まったく目が行かない。
世界の中心から見れば「日本の存在は非効率だ」と言われかねないのに、それに気付かないまま「田舎の存在は非効率だ」と決め付ける。
山下: 効率とか、何が無駄かっていう話を突き詰めていくと、結局、「生きているのが無駄」になりますよね。
藻谷: まさにそういうことですよね。
効率と無駄は相対的なもので、絶対的な線か引けるものではない。
今から二〇〇〇年以上前、荘子が「無用の用」を指摘したころから、不変の事実です。
ですが「何のための効率か? 普通に暮らしを営むためでしょ」とわかれば、現実的な判断はできる。
実際、お金はあまりなくても、幸せになれる場所はある。
山下: そうですね。たとえば、山村の暮らしの豊かさというのは、組み合わせを持っているということにあると思うんです。
今や日本の山村は、どんな山奥でも、一時間もあればスーパーへ行ける。
だから、山村に住む人たちは、「今日は刺身が食べたいな」と思ったら、車でスーパーへ行って、魚と酒を買ってくることもできるし、あるいは、「今日はちょっと山に入って、新鮮なきのこを採ってこようかな」ということもできる。
もちろん、それはやむにやまれずという部分もありますが、そういう組み合わせの豊かさがあるから、現金収入が少なくても大丈夫というかたちになっていると思うんです。
そういう場所を「効率」という尺度だけで議論してしまうと、暮らしの多様性が見失われてしまう。
そうではなく、「効率が悪いのならもっと早く消えていてもおかしくないはずなのに、なぜ残っているのか」を考えることが、本当の意味で効率性を議論することにもなると思うんです。
藻谷: ああそうか!
私はついつい「残すべきか」とか「残せるのか」という考え方をしてしまっていたんですが、そうではなくて、「高度成長以降半世紀たっても、まだ残っているからには、何か存在理由があるのだ」と考える。
なるほど、生態系の多様性と同じで、現にそこにあるものを、浅知恵で否定はできない。
『しなやかな日本列島のつくりかた』 藻谷浩介著(2014) 新潮社刊 より
----------引用終了
文中に出てくる対談相手は、山下祐介さん。社会学者で首都大学東京の准教授(当時)。
よく、飯田の中心市街地を「丘の上」と括弧付きで称しているのはなぜだろう?---と思ったモノです。
Deep South において他に比する中心がないので、また「丘の上」エリアは飯田藩の城下町だったこともあって、そこに「小中華」を感じたのは、当地に越してきて、「すぐ」の頃でした。
この「小中華」思想は、県域においては県庁所在地において感じるものです。
ニッポンは中央集権的な仕組みで150年間やってきたので、県庁のさらに上の頂に東京が位置しています。
かつて江戸時代の幕藩体制は、徳川幕府があるけど地方分権的で、藩ごとに人材供給もそれなりにできていました。
地方を担う(可能性のある)人財が、東京を頂点とするピラミッドの上へ上へと吸い上げられ、それが150年経つと、働き盛りを30年とすれば5世代が経過していますから、「東京(首都圏)一極集中と地方の疲弊」はコインの裏表であることがわかります。
地方創生のかけ声の下、その成否を握っているのは、その地域にキーパーソンとなる人がいるかどうか、です。
なので、
いまは首都圏にいるけど、地方においてはその人がキーパーソンと成り得る---そんな人と、地方を結ぶ「回路」が上手く機能すればいいんだけど、どうもマッチングが難しいらしい(例えば、こことか)。
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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。梅雨空、でも今は降っていません。
今日のストームグラス(↓)。
このカレールー、私はあんまり口にしないけど売れてるのね(^_^)。
ネットで偶然見かけたカレールーの売れ筋ランキング(↓上位ベスト10)。
出典はこちら(東洋経済ON LINE)。
ベスト10でシェア50%超。ハウス食品にいたっては、ベスト4を独占し、それだけでシェア30%強。恐るべし、ハウス食品。
知りませんでした、ルーの世界がこーゆーふーな状況になっていようとは。
カレールーと言えば、私は「印度の味」(マスコットフーズ(株))が好きなので、このベスト100まで見たところ・・・・・、ありました!!
第85位に「中辛」がランクイン(これ、美味しいし)。
ベスト100下位のほうはどうかというと(↓)。
同率94位が10品。「印度カレー辛口」なんてもっと上位にあってもよさそうな感じなんですが・・・・・・さすがに、このへんのカレールーは目にすること自体が珍しい(そもそもどこで売ってんだ?)。
たぶん、どこのお宅でも市販のルーだけでそのまま仕上げる、というわけじゃなくて、そのお家らしさを+αして一品、いや二品、いやいやもっといろんなものを加えているのではないでしょうか?
定番的に加えられるヨーグルトとか、隠し味的にチョコレートを加えているとか、ね。
そーすることで「○○家のカレー」が完成します。その組み合わせ(バリエーション)は、無限大。
カレーは既に国民食としての位置にありますから、それ(○○家のカレー)がもう「おふくろの味」なのかも!?
(最近、レトルトカレーによる「個食」化によって、それ(○○家のカレー)さえも育っていないご家庭も多いんだとか・・・・( ^.^)( -.-)( _ _)(x_x)。)
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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。
今日のストームグラス(↓)。
地元では食べられないブランド牛!?
以前、Yahoo!ショッピングで紹介されていた日本各地のブランド牛マップ(↓)。
長野県は「信州牛」でひとまとめ。
前に食した「葉山牛カレー」の葉山牛は神奈川県産なんですが、神奈川県の欄は「足柄牛」が代表として記されています。
全国的に馴染みのある○○牛から、「今回、初めて!」というものまであります(きっと、私が知らなかっただけでしょう)。
で、
長野県産牛がすべて「信州牛」と名乗るわけでもなく、当地では「南信州牛」とさらに地域をセグメント化していますが、これが市場でどーゆーふーな評価になっているのか、一般人は知っているのでしょうか?(「信州牛と南信州牛の違いって、何?」)
こーゆーのを突き詰めていくと、生産過程に拘りが詰まった「○○さんが生産した○○牛」が究極的なブランド牛となります。
阿智村の村澤勲さんが自分のところの村沢牧場で育てる黒毛和種の「村沢牛」。
地名でもなく、自らの名前を冠したブランド牛、「村沢牛」。
(当然のことながら、私は食したことはありません(_ _)。たぶん地元では手に入らず?、京都経由でネット購入は可能らしい。)
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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。雲が薄ぼんやりとストライプを構成している空。
今日のストームグラス(↓)。
イメージを喚起させる地名の入ったパッケージ。
おみそ汁用にいろんな「だし」をアレコレと購入しています(昆布や鰹節からとるという正統派ではなく、顆粒になってる「お手軽」なヤツ(_ _))。
先日購入した、これ(↓)。
「嵯峨野匠庵だしの素」---京都の嵯峨野という地名が付いているものの、裏を見ると製造元は京都市伏見区。
でも、「きっと、嵯峨野にある『匠庵』という料亭の監修の下に商品化したんだろう」---と、勝手に判断して(そんなこと、どこにも書いてないんだけど)買い物バスケットの中へ。
しかし、
調べてみると「嵯峨野匠庵」という店舗は、存在しない!
メーカーが「嵯峨野匠庵だしの素」という商品名で製品化したに過ぎない('A`)。
いかにも「ありそう!」という地名から喚起されるイメージ戦略に、まんまと乗ってしまった私。
顆粒の「だし」としては、じゅうぶん美味しいんですよ。でも・・・・・と思ってしまうのは、自分の抱いていた期待値(「嵯峨野+匠庵」というイメージ)と、それが【存在しない】という落差からくるもののように思います。
すべては、私の脳内妄想に原因があるんですが・・・・・・。
そーいえば、「市田柿」。
農水省のGI認証がされていて、こーゆーふーな厳格性が求められるということは、周知されているんだろうか?
かれこれ7年前のBLOGを思い出しました(こちら)。
こーゆーのってお店の場合でも、当てはまるでしょう。そう、暖簾を守る矜持とでも申しましょうか。
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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。
今日のストームグラス(↓)。
100年目のカレー。
ハチ食品のホームページを見ると(こちら)、元祖カレーメーカーの歩みが記されています。
それに因れば、
1905年(明治38年)、ハチ食品(当時:大和屋)は日本で初めてカレー粉を製造し、「蜂カレー」と名付けて販売を開始。
とあって、今回、食したカレーはそれから100年後の2005年に発売されたモノなのだそうな(↓)。
国産カレー粉が誕生した100周年を記念して、プレミアムラインアップ「百年目のカレー中辛・辛口」を発売しました。100年の間に培われた技術で作り上げたカレー粉と、ハチ食品のこだわりを詰め込んだ自信作---とあります。
どれどれ、いただきましょう(↓)。
欧風カレーのルーです。100円~200円クラスとは一線を画し、濃厚さを出すために用いた様々な野菜+果実+デミグラスソース+スパイス+etcで、美味しゅうございました(でもやはり、お肉は・・・・・・)。
食べ終えてから、ふと思ったこと。
「今年は2018年なんだから『113年目のカレー』じゃん。100年、101年、102年と毎年製造する際に年暦を重ねていって、パッケージもそーゆーふーにチェンジすればいいのに・・・・・・。ロングセラーは少しずつ(見えないところで)マイナーチェンジを続けながら、消費者の嗜好を反映させているモノだし、そーすれば、コレクターをはじめとして目新しいモノに飛びつく人々が毎年購入すると思うのだが・・・・・・。」(ただの思いつきです(^_^))
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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。
今日のストームグラス(↓)。
食品衛生講習会で学ぶこと。
6月のこの時期、食中毒が心配になってくることもあり、食品衛生講習会が開かれます。
一昨日、行ってきました(受講済証のステッカーがもらえます)。
講師の方のお話の中で特に印象に残っていることと言えば・・・・・・。
昨年度(平成29年度)の長野県内での食中毒は、以下の通り。
ノロウイルス 7件
アニサキス 3件
自然毒(スイセン) 2件
サルモネラ 1件
O157 1件
A型肝炎ウイルス 1件
ロタウイルス 1件
一番多く発生しているノロウイルス7件のうち、3件は生カキ由来によるもので、この事例では採れた湾、出荷業者、出荷時のロット番号も判明していて、それが松本と諏訪で食中毒を発症させたんだそうな。
講師の方が国の担当者に問うたところ(「出荷時にノロウイルスが陰性であることを課すことって、できないんですか?」とかいうふーに)、次のような回答だったそうな。
「ノロウイルスで死んだ人はいないからねぇ~。」
そうなんです、国は人が死なないと腰を上げません(公害の歴史では、死者が複数出ても、なかなか動きませんでした。それどころか・・・・・・)。
覚えているでしょうか、「生ユッケ」事件を(wikiせんせいのこちら)。
そーいえば、
今回の大阪北部地震で小学校のブロック塀が倒れて、登校途中の小学生が死亡した事件を受け、行政は急遽、一斉調査を開始しています。
そんな中、朝日新聞デジタルのこの記事(こちら)。
気になる次の記述、
「市教委が16年2月にブロック塀をハンマーでたたくなどするテストを実施して、安全である、と学校側に伝えた」
ハンマーで叩いたテストをした人って、ちゃんとした「プロ」の方だったんだろうか? もしや、市教委勤務の「公務員」の方だったのか?---この記事からはわかりません。
現代に生きる我々はリスクと隣り合わせで生きています。自らに降りかかってくるそのリスクを下げることができるかどうかは、リスクを「予見」できるための能力(≒知識)が必要---今は、そんな世の中なのか!?
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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。飯田の今日の予想最高気温、30℃(明日は20℃って、その差、大きすぎ)。
今日のストームグラス(↓)。
オ・マ・ケ(↓)。とある高原でソフトクリームを・・・・・・。
優れたモノだから、売れるわけではない(買うわけではない)か・・・・( ^.^)( -.-)( _ _)。
この前読んだ、『世界まちかど地政学』 藻谷浩介著(2018) 毎日新聞出版刊 から。
----------以下引用
これはある外国人が以前から指摘していたことだが、日本人が「日本の優れた新幹線システム」と力めば力むほど、外国人は買わないだろうというのだ。
言えば言うほど、「あのマメでクソ真面目な日本人でなくては運用できないシステム」と聞こえてしまう、というのである。
その点(中国人には失礼だが)「中国で広汎に定時運行しているシステム」と聞けば、「自分たちにも使えるかもしれない」という印象を与えやすい。
だからといって、他国から導人した技術を組み合わせて、「中国製」と売つて歩くのはいかがなものかとは思うが、商売は客の側から考えなくては、売れるものも売れなくなるということは自覚しておいた方がいいだろう。
----------引用終了
日本がガラパゴス化する、その理由を垣間見るようです。
そーいえば、以前、インドで冷蔵庫を販売するにはドアに鍵が付いていたほうがよく売れる!---という話を聞いたことがあります。
日本的には「冷蔵庫に鍵は必要ないでしょ! むしろ冷蔵性能や使い勝手のほうが、訴求力があるはず」と思いがちですが、彼の地ではさにあらず。
インドで冷蔵庫を購入できる層には、家に使用人がいて、その人たちを彼らは信用していないので、冷蔵庫にも鍵が必要---確かそんな話だったはず。
いいモノを作りさえすれば、売れるはず---これは内向きの論理+職人的な発想なのかもしれません。
こーゆー考えからアナロジー的に当店のことを考えてみると・・・・・・。
まさに、ガラパゴス!
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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。
今日のストームグラス(↓)。
3台目のファン(今回はサーキュレーター)。
既に2台の扇風機(バルミューダ+アマダナ)+フライファン2機を設置済みでしたが、なんせ、エアコンが1台しかないモンで、高い天井に向けても空気を掻き回す必要があると判断し、【左右+上下】動をするサーキュレーターを追加しました(↓)。
これは、±0のお品(^_^)。
よそがマネしようとしてもできない---ということ。
秘密のケンミンSHOWでも紹介された福岡県民のソウルフード、「牧のうどん」。
うどんチェーン店ではあるんですが、次のような「よそがマネしようとしてもできない」経営方針なんだそう(↓)。
当店では、どうだろう?
少なくとも、よそ様が「マネしよう」と思わないのは、確かでしょう。
以前、当店でも原価率7割近いお品をご用意しておりました(今は、たった50円!ですが、値上げしました)。そもそも当初の価格設定が、「ヘン!」なのですね(_ _)。
高い原価率であっても、お客の回転率を高くして儲けを生み出す「俺の・・・・」さんのようなノウハウもありますが、高齢化+人口減少が進む信州の Deep South の山奥にある喫茶店では、そーゆーふーにはいきますまい('A`)。
さぁさぁ、開店準備、準備。
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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。
今日のストームグラス(↓)。