『明治日本はアメリカから何を学んだのか 米国留学生と「坂の上の雲」の時代』 小川原正道著(2021) 文春新書(↓)。
「帯」が付いていて、そこには明治期に留学したことのある8人の写真が載っていました(↓)。
1:髙橋是清
2:新渡戸稲造
3:金子堅太郎
4:團琢磨
5:小村寿太郎
6:秋山真之
7:山本五十六
8:松岡洋右
私は、名前を知っていても、そのお顔を知らなかった人が2人いて、それが、3:金子堅太郎と4:團琢磨でした。
金子堅太郎が日露戦争終結に向けて(ハーバード大学の同窓である)セオドア・ローズベルトと接触していたことは知ってはいました。
また、
京都にある山縣有朋の無鄰菴で、伊藤博文らが日露戦争を始めること、そしてどのように終わらせるかについて会議していたこと(無鄰菴会議)、その場に小村寿太郎も出席していて、金子堅太郎が重要な役割を担うこと、これは無鄰菴の、あの洋館の説明書きで知りました。
で、
この新書で次のような記述を発見。
----------引用開始(強調BLOG主)
2:新渡戸稲造
3:金子堅太郎
4:團琢磨
5:小村寿太郎
6:秋山真之
7:山本五十六
8:松岡洋右
私は、名前を知っていても、そのお顔を知らなかった人が2人いて、それが、3:金子堅太郎と4:團琢磨でした。
金子堅太郎が日露戦争終結に向けて(ハーバード大学の同窓である)セオドア・ローズベルトと接触していたことは知ってはいました。
また、
京都にある山縣有朋の無鄰菴で、伊藤博文らが日露戦争を始めること、そしてどのように終わらせるかについて会議していたこと(無鄰菴会議)、その場に小村寿太郎も出席していて、金子堅太郎が重要な役割を担うこと、これは無鄰菴の、あの洋館の説明書きで知りました。
で、
この新書で次のような記述を発見。
----------引用開始(強調BLOG主)
金子(堅太郎)の随員だった阪井徳太郎は、一九〇四年十月三日、旧知のアソソン・P・ストークス(イエール大学事務局長)に書簡を送り、(日露戦争の)講和条件についてイエール大学教授陣の「フイーリング」「センチメント」を教えてほしいと依頼した。
金子も阪井も、ハーバード大学出身だが、ハーバードではなくイエールに打診したのは、秘密保持のためだったのではないか、と矢吹晋氏は指摘Lている。
阪井とストークスは、アメリカで同じ神学校に学んだ信仰の友であり、深い信頼で結ばれていた。
伊藤(博文)とローズヴェルトに博士号を授与していたことも、金子をして、イエールに着目させる背最となったかもしれない。
ストークスが、セオドア・S・ウールゼィ教授(国際法)、フレデリック・W・ウィリアムス助教授(東洋史)と相談したところ、彼ら個人の見解として、対露講和に関する提案ができあがってきた。
ストークスはその提案を阪井に送り、金子のもとに保管され、一九〇五年一月の旅順陥落を受けて、金子がこの提案をローズヴェルトに見せて講和斡旋を督促する。
ローズヴェルトも、提案を興味深く読んだ。
その上で、金子はこの提案を小村外相に送り、さらに阪井は、ストークスに提案の修正を依頼、その追加意見書が阪井から小村に送られる。
ポーツマス講和会議では、日本側の提案をもとに話し合いが進められ、ロシア側は日本の韓国保護、ロシア軍の満洲からの撤兵、旅順・大連の租借権と東清鉄道南部支線の一部(長春-旅順)の日本への譲渡などを承諾し、賠償金の支払いはなし、南樺太を割譲、という形で決着する。
九月四日のことである。
松村正義氏は、このイエール提案がポーツマス講和会議の原型になった、と述べているが、金子も後年、「小村ガ全権トシテヤツテ来テ斯ウ言フ案デ、会議二臨ム積リダト携ヘテ来タ案ヲ私二見セタ。ソレハ『工ール』大学ノ教授等ガ書イテ呉レタモノヲ元ニシテ作ツタモノダ」と回想している(「諸修史関係雑件/外交資料蒐集関係第三巻」)。
『明治日本はアメリカから何を学んだのか 米国留学生と「坂の上の雲」の時代』 小川原正道著(2021) 文春新書 より
-----------引用終了
この新書は書簡から読み取れることを史実と照らし合わせていくことで、より立体的な(人的繋がり=人脈による)歴史のダイナミズムを解説しています。
日本国内だけの史料に当たるのではなく、留学先でお世話になった方々への日本からの書簡が意味することは、私信だからこそ吐露できる本音があったのかもしれません。
この新書、スタッキング・シェルフに置いてあります。
---
今日の南アルプス(↓11:00撮影)。午後は天気回復の予報。
今日のストームグラス(↓)。
『明治日本はアメリカから何を学んだのか 米国留学生と「坂の上の雲」の時代』 小川原正道著(2021) 文春新書 より
-----------引用終了
この新書は書簡から読み取れることを史実と照らし合わせていくことで、より立体的な(人的繋がり=人脈による)歴史のダイナミズムを解説しています。
日本国内だけの史料に当たるのではなく、留学先でお世話になった方々への日本からの書簡が意味することは、私信だからこそ吐露できる本音があったのかもしれません。
この新書、スタッキング・シェルフに置いてあります。
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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。午後は天気回復の予報。
今日のストームグラス(↓)。