今年の元日に2冊の本を購入しました(平安堂は元日から営業中)。
そのうちの1冊が、昨年末に膵臓ガンがステージ4であることを公表された森永卓郎さん(通称:モリタク)の著書、『ザイム真理教』 森永卓郎著(2023) フォレスト出版刊(↓)。
DSCN7243
1冊だけ置いてあったわけではなく、平積み状態。
奥付を見ると、6月1日初版発行で、私の版は既に14刷。
ベストセラーだったんですね。
POPを見ると、こんなフレーズが書かれています(↓)。
zaimu
このことについて、「あとがき」でモリタクさんは、次のように事実を記しています。

できあがった原稿を大手出版社数社に持ち込んだ。
ところが、軒並み出版を断られたのだ。
「ここの表現がまずい」といった話ではなく、そもそもこのテーマの本を出すこと自体ができないというのだ。


発行所:三五館シンシャ
発売:フォレスト出版
この出版社が引き受けてくれたことで、日の目を見ることができた、そーゆー書籍なんだそう。
帯にもあるとおり、

財務省が布教を続けてきた「財政均衡主義」という教義は、国民やマスメディアや政治家に至るまで深く浸透し、国民全体が洗脳されてしまった。

この教義のために日本経済は転落を続け、国民生活は貧困化したというロジックです。
知らないコトがアレコレあったんですが、中でも「1億円の壁」があるという所得税・社会保険負担率について(↓)。
DSCN7246
----------引用開始(強調BLOG主)
日本の所得税制は累進課税制度になっているから、所得が増えるほど税率が上がる構造になっている。
確かに所得が1億円までは、そのとおりになっているのだが、所得が1億円を超えると、所得税・社会保険料負担率が急激に下がっていくのだ。
特に年間所得50億~100億円の階層の負担率は、年間所得200万5250万円という庶民よりも低いという許しがたいことが起きているのだ。
こうした現象が発生する理由は二つある。
一つは、金融所得課税だ。
勤労収入には、そのまま累進課税の所得税がかかるが、株式の売却益や配当から得られる金融所得は、分離課税になっていて、一律20,315%(所得税及び復興特別所得税15・315%、住民税5%)を支払えば、すべての納税が済んでしまう。
10億円稼いでも、100億円稼いでも税率は変わらないのだ。
もう一つは、厚生年金保険料や健康保険料には負担の上限があるということだ。
たとえば厚生年金は、月給65万円を超えると、それ以上の部分には保険料が一切かからない。
健康保険も、月給135万5000円を超えると、それ以上の部分には保険料が一切かからないのだ。
なぜ無制限に保険料を取らないのか、厚生労働省の官僚に聞いたことがある。
彼の答えは「もし、上限を外したら、とんでもない厚生年金を受け取る高齢者が生まれて、不平等の温床となる」という答えだった。
しかし、それはとんでもない詭弁だ。
(前掲書より)
----------引用終了
累進的に負担率が上昇していくことは知っていましたが、「1億円の壁」を越えた後の負担率カーブがどーゆーふーになっていくのか、これは知りませんでした。
なぜ、日本経済がこの30年間、ほとんど成長しなかったのかという疑問---これについても、モリタクさんは、次のグラフを提示して(↓)、
DSCN7244
国民負担率が「五公五民」---働いても税金と社会保険料で半分が持っていかれる('A`)、その最大の理由を消費税率が5% → 10%に倍増したことにあるとしています。
なぜ、日本経済がこの30年間、ほとんど成長しなかったのか---その答をこーゆーふーにお考えデス。
----------引用開始(強調BLOG主)
日本企業がイノベーションを怠ったからだとか、終身雇用・年功序列処遇が時代に合わなくなったからだとか、企業が雇用を守るために賃金を抑え込んだからだなどといろいろな意見が出されているが、この表を見れば、答えは明らかだろう。
日本経済が成長できなくなった最大の理由は「急激な増税と社会保険料アップで手取り収入が減ってしまったから」だ。
使えるお金が減れば、消費が落ちる。
消費が落ちれぱ、企業の売上げが減る。
そのため企業は人件費を削減せざるを得なくなる……という悪循環が続いたのだ。
ザイム真理教は、国民生活どころか、日本経済まで破壊してしまったのだ。
(前掲書より)
-----------引用終了
モリタクさんは今、投薬治療を続けながら執筆している本があるんだそうです(最期かも知れないと思ったら、書いておかねばならないことが、きっとあるのでしょう)。
今年中には出版予定とのこと(是非、刊行まで至ってください)。
今年に入って、山崎元さん(通称:ヤマゲン)がお亡くなりになっています。
お二人とも「距離を取る」スタンスでした。
それ故、私は参考にしていました(しています)。

---

今日の南アルプス(↓11:00撮影)。
DSCN7261
今日のストームグラス(↓)。
DSCN7260
オ・マ・ケ(↓)。パウンドケーキをいただきました(ありがとうございます)。お客様にもお裾分けしますね。
DSCN7262