2025年6月17日(火)から放送がスタートしているNHK総合波(地上波)ドラマ10、『舟を編む~私、辞書つくります~』(↓)。
2025-07-02 111422
昨年のNHK・BSでの放送を見ていた身としては、再度、みられることが嬉しゅうござます。
それよりも昔、映画の「舟を編む」もみておりましたが、主人公・馬締光也(松田龍平)中心に描かれており、比較してみることで今回のドラマ版の設定の違いが面白うございます。
ドラマ版の主人公は、岸辺みどり(池田エライザ)で、映画版にも黒木華がその役で登場していましたが、ドラマ版は「お仕事ドラマ」+「彼女の成長物語」となっており、さらに辞書制作の奥深いところをわかりやすい映像表現で伝えてくれるのが、有り難い。
で、
先週の放送回(第2回)で扱われた【恋愛】の意味について。
岸辺さんが今ふうにLGBTQに配慮することでの問題提起をする場面。
これまでの辞書の記述をチェックし、現在制作中の辞書『大渡海』の監修者・松本朋佑(柴田恭兵)とのやりとり。
なるほど~と思うことしきり。
手許の辞書を引いてみました。
『新明解』第八版(2020年発行)(三省堂刊)では(↓こちらは「特定の相手」)、
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「恋愛」の心情を余すところなく簡潔に言い当てている---お見事です。
同じ『新明解』第五版(1998年)第五刷も手許にあったので、引いてみた(↓こちらは「特定の異性」)。
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おぉ~、こちらも悶々とする気持ちを言い当てていて、わかるなぁ~。
特に「出来るなら肉体的な一体感も得たいと願いながら、常にはかなえられないで、やるせない思いに駆られたり、まれにかなえらて歓喜したりする状態」---これでこそ「新解さん」の中には人が住んでいる!といわれる所以ですね。

ドラマ版は2017年から描かれている設定で、辞書『大渡海』の完成はコロナ禍の間になっています。
言葉は時代を映す鏡---コロナ禍という社会が被った試練を、どんなふうに言葉として記録できるのでしょうか。

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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。
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今日のストームグラス(↓)。
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