見方が180度変わるというのは、こーゆーことを言うのでしょう。
1冊の本、それが「サイゼリヤ愛」に溢れていて、そして、ちゃんと同業者の観点から「お皿の上の一品」の背景を解説してくれているのです(他にもデニーズ、バーミヤン、マクドナルド、松屋等の飲食店チェーンにも言及)。
ぐいぐいと引き込まれる筆致で、あたしゃ、これ(↓)を読んで爆笑しました。

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2019年の夏メニューで初登場したレンズ豆とスペルト小麦のミネストローネは、個人的にサイゼリヤ史上最高傑作の一っとも言える逸品。
どういうスープかを言葉で説明するのは、ほかに似たような料理がないのでちょっと難しいのですが、とりあえず中世ヨーロッパを舞台にした映画やアニメで、夜更けに嵐の中をほうほうの体で宿にたどり着いたシーンを思い浮かべてみてください。
そこで「スープくらいしかないけどいいかい?」と一言われて出てきそうなやつ、と言えば伝わりますでしょうか。
伝わりませんかね。
ミネストローネといえば普通は何の疑いもなくトマト味を想像する日本人に対して、そうじゃないものを当たり前のような顔でしれっと提供する、というサイゼリヤのカッコよさが楽しめる料理でもあります。
「人気飲食チェーンの本当のスゴさがわかる本」 稲田俊輔著(2019) 扶桑社新書 より
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実を言うと、私はサイゼリヤに行ったことはあるものの、それは思い出せないくらい遙か昔で、その時に
格安のイタリアン・ファミレス
という烙印を押してしまっていて、それ以来、足が遠のいていました。
こーゆーバイアスがかかった判断に対して、著者の稲田さんは、次のように戒めています。

----------引用開始(強調BLOG主)
日本の消費者はシビアだとよく言われますが、これは「狭量」と紙一重
自分が知らないものには手を出さない、一度食べて少しでも違和感があったら全否定して二度と手を出さない、みたいな保守性は、飲食店の数が増え、しかも品質的に全体のレベルが上がり過当競争が進む現代、ますます進行しているように思えます。
個人店であってもそんな流れに上手に合わせていかないと店を守ることはとても難しい、ということになってしまいます。
そんななか、サイゼリヤの、場面によっては一般的な個人店のそれをやすやすと超えることもある本場志向は、「よくあるチェーンファミレスとは一味違う」という強力な差別化につながっていると言えるのではないでしょうか。
前出、同書より
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一度読んだら、改めて行ってみたくなる、そんな新書でした。
ということで、店舗検索を「ポチッ!」とな、してみると・・・・( ^.^)( -.-)( _ _)。
長野県内には12店舗あるものの、岡谷と茅野より南には1店舗も無し(伊那谷にはアリマセン('A`))。
店舗数は1000店を超えるのに、(やっぱり)DeepSouthには無い・・・・( ^.^)( -.-)( _ _)。
この本、赤棚に置いてあります。
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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。
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今日のストームグラス(↓)。
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