以前このブログでも書いた創造性には「ゆとり・遊び・余裕」が大事と指摘する 『海馬 脳は疲れない』糸井重里・池谷裕二著(2002) 朝日出版社刊 のあとがきで、池谷裕二氏は次のように書いています。
-----------------以下引用(強調BLOG主)
『心は脳のどこにどのように存在しているのか?』
心とは脳のプロセス上の産物にほかならない。
つまり、心は脳が活動している状態を指す。
物体ではない。
脳を細分化しても心はどこにも見出せないだろう。
車を部品に解体したところで「スピード」というものがどこにも現れないのとおなじことである。
スピードは車の動きの状態のことだ。
脳をプロセスとして捉え直すと、随分と見通しがよくなる。
経験、学習、成長、老化。
人の本質とは「変化」である。
この本でも重視してきた「可塑性」だ。
脳がコンピュータと決定的に異なる点は、外界に反応しながら変容する自発性にある。
だからこそ、プロセス重視の生き方がより人間らしい存在に直結すると、私は自信をもって言える。
問われるものは、結果そのものではなく、そこに至る過程であると。
それは目に見える外的変化だけに限らない。
たとえぼ、「優しさ」という人の内部情動を考える際にも有用だ。
優しさとは支援、救助、保護といった具体的な結果を指すのではない。
むしろ、他者を思い、労わり、煩うというプロセスこそが「優しさ」の枢要な基幹をなしている。
この点は、愛情や憎悪を含め、人間の云為すべてにおいて同様である。
-----------------引用終了
楽しいコミュニケーションによって元気をもらったり、新たな発想・創造の種が生まれてくるというのは、まさに外界に反応しながら変容する自発性があるからなのですね。
ただそれは同時に「自分の中」に反応できるためのセンサーや回路がないと、ただ通り過ぎて行ってしまうものなのかもしれません。
そーゆーこと、多かったような気がするなぁ(反省することしきり)。
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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。


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