お借りした本です。
「はじめに」の中で、---あらかじめ結論を一言でいうと「よくみて、どこでもやる」ことである---と述べている。
その裏付けを自分が関係した①パレットタウン・大観覧車、②ライフネット生命の立ち上げ、から説明しています。
で、
なぜ「ビジネスをつくる」ことが必要なのか?
-----------------以下引用
優良企業は、一つのビジネスで安定的な競争優位を維持しているのではなく、一〇年以内の一時的な競争優位をくさりのようにつないで、結果として高い業績を継続している(入山章栄『世界の経営学者はいま何を考えているのか』英治出版、二〇一二年)。
つまり、現代の企業は、新しいビジネスをつくり続けなければ生き残れない。
サラリーマン個人のライフプランでいうと、サラリーマン人生の寿命が二〇代から六〇代までの約四〇年で、一つのビジネスの寿命が一〇年ならば、サラリーマン寿命のほうがビジネス寿命の四倍も長い。
だから、一つの会社で定年まで勤めたとしても、少なくとも本人にとってはいまだに見ぬ新しいビジネスを三つ四つ担当しなければならない。
どこに行ってもビジネスをつくる技術と実績があれば、新しいビジネスの担当になったとしても、創意工夫を加えて仕事を進めることができる。
社内転職で担当が替わってもやっていけるし、万一、会杜がつぶれても転職先で活躍できる。
つまり、サラリーマン個人もどの業界にいようとも、会社と同様新しいビジネスをつくり続けなければ生き残れない。
-----------------引用終了
様々な事例や経験の記述に通底しているのは、この問題意識です。
自分の成功体験を基準にしてしか行動できない・判断が下せない
とか、
新しいこと(事業・異動)には腰が引けてしまう
とか、
環境適応力ゼロ世代向けに書かれたのではないか、と思うくらいです。
エピソードでいちばん面白かったのは、これ(↓)。
-----------------引用開始
一九九五年頃、古くなったたばこのブランドの若返りを命ぜられたブランドマネージャーは、データを調べ、若者に人気のマールボロが都内で一番よく売れている下北沢の自動販売機を特定した。
その自動販売機の横に毎日、昼、夜、深夜といろいろな時間に立って、どういう時間帯にどういう人が買っているのか見て、自分がお客になりきって共感できるようにした。
自動販売機で買ったお客の後を付けていき、どういう飲み屋に行く人か、どこでどういう買い物をする人か見届けもした。
ときには、自分も同じ飲み屋に入って、素知らぬ顔をして話しかけたりもした。
そうして、お客の気持ちになりきって、マールボロのどこにお客は共感し、担当のブランドにはどの要素が不足しているのかを整理し、いろいろな施策を打った。
007のジェームズ・ボンド的なCMから若者がサーフインをしているCMに替えたりもした。
そうすると、これだけ古いブランドでは異例のことだが、売上が伸び始めた。
もちろん様々な消費者調査のデータを仔細に分析していたが、決定的な効果を産んだのは、そうした主観的な共感力による判断が大きかった。
-----------------引用終了
1995年当時はまだビッグデータの活用なんてことは考えられず、ひたすら「足」で稼ぐ泥臭いマーケティングがあったわけですね(いまでも、こーゆー系の手法は、そこそこ重要なはず)。
(タバコのブランド名は記されていないものの、もしかしたら“LARK”のこと?)
ひとつのことから学んだことを抽象し、別の分野でも応用できるように自分の中で昇華させておく。
それらが引き出しの中に整理して入っていれば、
「どこに行ってもビジネスをつくる技術と実績があれば、創意工夫を加えて仕事を進めることができる。」
ということらしい。
(等高線人事のような世界でしか通用しない人材は、これからのビジネスの中では淘汰されるということ。そもそも等高線人事それ自体が悪しき慣習です。)
---
今日の南アルプス(↓11:00撮影)。見事な「快晴」なり。その分、朝は冷えました(飯田の最低気温は4.4℃)。

今朝のウォーキング時(6:12↓)。下界は天竜川の川霧の中(この季節によく見る光景です)。

日の出の時刻は6:34(↓)。

その朝日を受けて(↓)、

今日のストームグラスは、というと(↓)、西向き(手前)以外の3方向では「大繁殖!」・・・・。

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