日本に創業以来100年を超える企業がたくさんあるというのは、世界的に見ても特異な点なのだとか。

なかでも世界最古の企業が大阪にある金剛組(という話も、けっこう有名)。

沿革を聞いただけでも、「!!!!!」でした(だって、聖徳太子も出てくるんですから)。

578年、四天王寺建立のため聖徳太子によって百済より招かれた3人の宮大工のうちの1人である金剛重光により創業。

593年、四天王寺創建。

607年、法隆寺創建。

金剛組の名前は中学高校の歴史教科書には載らないけれど、その「作品」は誰でも知っている---スゴイ会社なのですね。

行ってみました(とはいっても、本社社屋の前を通り過ぎただけですけど)。

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これだけみたら、あっち系の「組」のモンかと思ったり・・・・・(しないか)。

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日本各地の老舗を取材した本(『老舗のプロ魂』 JFN編(2012) 徳間書店刊)に載っていた「家訓」が示唆に富んでいるので、引用します。

-----------------以下引用(強調BLOG主)

今から220年ほど前の、金剛家32代、喜定という人の遺言書が残っておりまして、何カ条もあるんですけれども、要約をいたしますと、

「儒教、仏教、神道の教えをよく学び、勉学に励むこと、大酒は飲むな、身分に過ぎたことをするな、自身に不相応なことは親類によく相談して万事とりはからうこと、無私正直に対応せよ、足下を見た値段や捨て値の見積もりは決してせず、正直な見積もりを差し出しなさい」

というような、非常に今に通じる言葉が並んでおります。

これはこの喜定という人が書いたものでありますが、おそらく代々、金剛家でずっと言い伝わってきたことを、彼が文章にして残したのであろうと思われます。

この家訓にもありますように、大工の家訓でありながら、大工の勉強をしろとはほとんど書いてないのですね。

お客様はお寺様であり、神社様ですから、そういうところでの、神道、仏教、儒教をよく勉強しなさいと、それから読み書きそろばんにも精を出しなさいと書いてありまして、たんにものを造る大工だけにとどまらずに、最高の知識階級であるお坊さんたちの相談相手になれるような最低限の教養を持っておく、そうすると大工でありながらやっぱり金剛組はちがうな、という特化を当時からかなり意識したんじゃないかなと思い至ります。

そして、これはかなり現代に通じることだと思います。

-----------------引用終了

これって、いまふうにいうと「serendipity(セレンディピティ)」の能力を開発しておくっていうことにつながると思うのです。

ものづくりを極めていくとき、壁を乗り越えるきっかけって、「ひょんな」ところに転がっていたりするものらしい。

みんなが同じものをみているのに、その人だけはそれからヒントを得る---そんな能力。

そのためのベースになる教養---いつ役に立つのかわからないようなもの、企業が求める即戦力としての力の対極にあるもの。


じゃあ私も今からでも、こつこつと・・・・・・・。


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。

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丁度24時間前(↓)。

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たなびく薄雲と上空の雲のコントラスト!

今日のストームグラス(↓)。

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邸内見立て洛中洛外図・部分(↓)。

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仁和寺(にんなじ) → みんな「ぢ」



























(「ぢ」のオジサン方、「和式」トイレにではなく、み~んな「ウォシュレット」に並んでいるのが(*´∀`*)。)

竜安寺といえば、あのつくばい 「吾唯足知」