池上彰氏は現在、東工大リベラルアーツセンターの教授という立場でもあり、自分の講義に関して学生へ試験問題も出題しています。

『この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう~池上彰教授の東工大講義・世界編』池上彰著(2012) 文藝春秋刊

の中で、どんな出題をしたのか触れていたので、以下引用します。

-----------------以下引用

私の講義では出席はとりませんが、授業中にレポートを2回書いてもらい、学期末に試験があります。

どんな試験問題か。

たとえば、

「ブータンではGNH(国民総幸福量)が提唱され、幸福を数値化するための指標がある。もし日本でGNHを取り入れるならどのような指標が適切か、あなたの考えを書きなさい」。

私が高く評価した解答のひとつがこれです。
















(本の中では、こんなに空白はありません。)





























































「幸福は主観的なものであり、数値化はできない。よって適切な指標はない」

この本の冒頭でも書いたように、大学生になったら「この説は本当に正しいのか?」と批判的に物事を見る視点をもってほしいのです。

多くの学生は幸福の指標を真面目に考えて解答してくれましたが、まず、GNHという思想そのものを疑ってみる発想が大事なのです。

その根本をよく理解した解答だと思いました。

-----------------引用終了

ふと、ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊先生のエピソードを思い出しました。

大学院生時代に講師をしていた高校の物理の試験で、

「この世に摩擦がなければどうなるのか」

との質問を生徒に出題したという話。

正解は、



















(知っている人は、知ってるこのエピソード。)














(引っ張りますね。)
















正答は「白紙答案」

(摩擦がないと鉛筆の先が滑って答案は書けない。解答を記入すると不正解。)

というものでした。

池上彰氏がどうして東工大という理系の最高学府において「リベラルアーツ」にこだわるのかというと・・・・・・・。

科学はそれをどうやって社会で生かせばいいかのベースに、「リベラルアーツ(教養)」が必要だと考えているから。

高校卒業段階までは5教科、理科・地歴公民もちゃんと万遍なくやったほうがよろしいかと・・・(文系の私でさえ高校時代理科は、物理・化学・地学・生物やったもんなぁ。どーゆーカリキュラムになってたんだろ???)。

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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。南アルプスは「荒れて」いそう。

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今日のストームグラス(↓)。

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