今住んでいる田舎にもたくさんの「産直(産地直売所)」があります。

産直市場には自治体が作ったものや(3セク含む)、JAがつくったものであったり、公設民営だったり、完全な民営(生産者グループ)と、利用者からみるとそのへんのところは、とりあえずどーでもいいことなんですが、こんなにもたくさんできると、人ごとながら心配になります。

そういえば、イオンやキラヤ(地元スーパー)の一角にも、そーゆーコーナーが設けられていますし、ね。

はっきりオーバーストア気味、です。

そんななか、年商10億円、年間来客者数58万人、生産者(出品者)2100人という産直があり、私、ここのファンなんです。

そこの会長が、『産直市場はおもしろい!』 小林史麿著(2012) 自治体研究社刊 --という本を出版。

成功の秘訣を惜しげもなく公開!

以下、ポイントを列挙します(見出しだけなんですけど、ね)。

ポイント①
生産者(農家)が主人公になる直売所

「人間というものは、自分自身で創意工夫する自由や決定権があってこそ、やりがいや主体性が生まれ、元気になっていく存在です。」

ポイント②
1週間ごとの現金精算

「土日はお客さんも多いので商品も品薄になりがちです。生産者の皆さんは、出荷のついでに集金をしていく大義名分ができ、直売所通いの楽しさが増幅されるのです。」

ポイント③
地域の自然や文化すべてを商品化する

「先人の貴重な財産・文化財 お蔵に入って半世紀 名も知れず、何にするのかもわからない 管理責任ひ孫の時代、ちょっと待て 燃やすな捨てるな粗大ゴミ 探し求める人もいる 文化財を守る仲人・産直市場」

ポイント④
生産者をしばらない

「生産者の入会登録は、住所、氏名、電話番号、出荷できる作物を記載してもらうだけです。入会金も必要ありません。会員になるための資格も必要ありません。どなたでも会員になってもらえるので、生産者は現在2150人です。」

ポイント⑤
宣伝は口コミのみ

「情報の発信源は、2150人の宣伝マン(=生産者)。」

ポイント⑥
生産者こそ最も安定した消費者

「農家の皆さんが生産する。ここに出荷する。農家の皆さんがここで購入する。売り上げの8割は農家の皆さんに入り、次の再生産に活かされる。あとの2割の大部分は従業員に賃金として支払われ、地域で消費活動を行う。そうやって地域内でお金が循環しますからね。経済効果もあるわけです。」

ポイント⑦
消費者も参加する楽しい直売所

「かなり高齢のおじいさんが、レジに乾電池を一箱持ってきました。レジの職員が心配して聞いたんです。『おじいさん、この乾電池、全部必要なの?』 『いいや、家に置いておくんだ。』 『そう、じゃあ必要な分だけ買っていったらどう? 乾電池はいつでもあるから、大丈夫だよ。』おじいさんは『じゃあそうするかな』と、必要な分だけ買いました。」

ポイント⑧
クマ、ヤギ、ダチョウがいる直売所

「ニワトリ20羽、ヤギ50頭、ウサギ20匹、ダチョウ2羽、クジャク6羽、ポニー4頭、ロバ1頭、クマ1頭、サル1匹、アヒル20羽、ブタ2頭を飼っています。・・・(中略)動物の貸し出しサービスもやっています。貸出期間は、1日から1年間までお客さんの自由。1回の貸出料は3000円です。」

ポイント⑨
細かい配慮の積み重ね

「直売所のあちこちにお客さんに喜んでもらえる工夫がいっぱいあって、お客さんが自分自身で選択できるサービスが良いのです。」

ポイント⑩
感動こそ商売の原点~楽しさが人を集める~

「ある大手スーパの支店長クラスが集まって、視察に来たことがあります。彼らが言うには『我々のマニュアルから考えて、グリーンファームは絶対にお客が入らない典型的な立地条件と店舗づくりなのに、なぜ人が集まるのか』をテーマに研究会を開きました。結論は『人が集まる理由がわからない』だったそうです。」

「毎年58万人もの方々が来ていただけるのは、楽しいからです。毎日、お客さんの様子を見ていたり、生産者とおしゃべりいしていたら、よくわかるのです。」

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ポイントの最後、「楽しさが人を集める」、その通りだと思います。私がそこに足を運ぶには1時間もかかるけれど
、そこが「楽しい」からなんですね。

加えて、

「なんでこんなものが、ここにあるのぉ?」

という発見と感動、それが味わえる場所なのです。

例えば、

先日から当店の窓際に置いてある「コーヒーの木」、これ、ここで購入したものです。

ヘン! ですよね、長野県の産直市場で「コーヒーの木」を販売してるって・・・・・・・・。

でも、それが魅力でもあるわけです。


ここの産直が目指すものを、「産直讃歌」として歌にしているページがありました。

-------------以下引用

 産直讃歌 一

百姓嫌だと町に出て

サラリーマンと化した子に

食べ切れぬ野菜作ってどうするの

あっちが痛い こっちが痛いとぐちるより

百姓やめて温泉につかって

のんびりと暮らせよと

やさしい言葉でなじられて

生きる喜び細められ

日々の暮らしは暗かった

産直できて いうことにゃ

親父の野菜は素晴らしい

なあせがれ

お前の嫌いな百姓に

今じゃ嫁から孫までも

勝手に手を出し口も出す

三世代通ずる心の喜びのうた


 産直讃歌 二

せがれもまもなく定年だ

天下り 嘱託探しに コネ探し

手付かず待ってる退職金

年金の満額支給も もうすぐだ

金さえ有れば 何でもできる

地獄の沙汰も金次第

ゴルフだ 旅行だ 趣味娯楽

うかれた老後は夢ばかり

しばし まて

一人じゃ暮せぬ老後の社会

むなしいぞ 人も地域もない暮らし

金では買えない人の道

年金プラスの百姓で

孫が打ち出すバーコード

親父の百姓 楽しそう

孫子らと 通ずる心の喜びのうた


 産直讃歌 三

せがれの子供も三十五

嫁ももらわず 独り者

定職就かずに フリーター

一に会社 二に仕事

三、四がなくて 五に出世

原発や 親父の生き方もういやだ

見直そう

お金が全てじゃない社会

自由に暮せる人の道

出来ることならボランティア

時代が違うよ

何とかなるさ

エコな暮らしと自給の社会

お金じゃないよ人生は

爺婆の生き方素晴しい

産直で地域が変わる喜びのうた

-------------引用終了

過疎化・高齢化の進行する地方にあって、「エコな暮らしと自給で地域経済を回していく」ひとつの処方箋、それがここの実践そのものです。

また、行きますね。

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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。今日も雨、何も見えません。「柿」の乾燥、大丈夫かなぁ?

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今日のストームグラス(↓)、それなりに繁殖中。

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