西水美恵子さんの世界銀行副総裁としての実践から。

リーダーたるもの、部下をどう育てて、組織も成長させるのか? そのヒント(↓)。

-------------以下引用(長いですぜ。強調BLOG主)

組織文化は組織の人間がビジョンと価値観を共有すれば変わるというのが、経営学の常識らしい。

が、ただそれだけでは、組織文化などびくともしない。

人間、頭でわかっていてもハートにつながらなければ動かないからだ。

世界銀行の官僚的な組織文化を変えようと暗中模索の頃、多くの経営学者に意識改革の手法を聞いて回った。

皆、口をそろえて「インセンティブ(誘因)を変えろ」と言う。

が、一歩立ちいって具体的な話になると世銀の人事規則に既にあるインセンティブばかりが並ぶ。

仕事への目線や、姿勢、態度を変える動機づけはと尋ねると、「リーダーが与えるインスピレーションションに尽きる」と言う。

しかし、リーダーのDNAに染まりすぎたら、持続的な意識改革にはならない

「私が去ったらどうなる」と反論した。

結局、役立つことは何も学べなかった。

学窓の人々は、自ら組織や改革のリーダーシップをとった経験がないのだから無理もない。

人の心の深いところでビジョンと価値観を共有する情熱をどう刺激し、職場での自然体に引き出していったらいいのか…。

そのヒントを与えてくれたのは、ひとりの小学生だった。

優秀な部下の成績が下がり、目に見えて元気がなくなっていくのに気付いた。

理由を聞くと、小学生の息子。

「成績が下がり、海外出張で留守するたびに寝小便。心配で仕事が手につかない」と嘆く。

仕事と家庭が両立せず、いっそ世銀を辞めようかと迷っていた。

母性本能か勘か、何がそう言わせたのかは知らないが、ふと思いついて「出張に連れていってみたら」と勧めた。

やる気があるなら旅費も出すと約束した。

忘れかけた頃、その小学生から出張報告書が届いた。

「お母さんが飛行機で飛び立った後のことがわかってうれしい。お母さんはインドの貧しい人たちを助けている。僕みたいな子が学校へ行けるように立派な仕事をしている。お母さんを誇りに思う。僕もお母さんのようになりたいから、一生懸命勉強します」

幼い文字をたどりながら、あふれる涙が止まらなかった。

もちろん、おねしょはぴたりと止まり、成績は親子そろってうなぎ上り。

部下に明るい笑顔が戻った。

(中略)

人間は幸せを追求する。

この共有感が頭とハートをつなげた。

仕事への態度を変えるにはどうすればいいのか、約千人の部下たちが熱くなって話し合い、大小さまざまな行動に移し始めた。

幸せの追求を妨げる組織の形や、規則、慣習を発掘しては躊躇せず変え続けた。

改革は、楽しい学習の日々だった。

以来、人事のすべてについて、職員のみを対象とする思考を捨てた。

家庭を対象に入れ、人間としての幸せを考えるようになった。

職場でも家庭でも同じ人間。

どちらかが不幸せならもう一方に響く。

働きがいと生きがいがつながって初めて、人間の「生産性」が大きく変わる。

(二〇〇八年十二月)

『あなたの中のリーダーへ』 西水美恵子著(2012) 英治出版刊

-------------引用終了

保守(体制側ね)が改革を叫び、革新(組合とかの側ね)がそれに異を唱え、既得権益を死守しようとする。

なんかヘンテコな構図です。

カリスマ的なリーダーがいなくなっても、時代に合った組織に自らを変革していける仕組みをその組織へ組み込むこと。

先行世代のカリスマ・リーダーが後顧の憂いなく逝くためには(^_^)、この「仕組み」のBuilt-inが必須でしょう。

「改革で学ぶことは楽しいこと」

と感じられる風土がその組織にあるかどうかも、大切ですね(所与の条件じゃないし)。


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。そういえば最近、青空見てませんねぇ。

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今日のストームグラス(↓)。

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お客様からのいただき物、スイートコーン「味来(ミライ)」。美味しゅうございました(平均糖度12°とか!)。

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