昨日の続き、『「学力」の経済学』 中室牧子著(2015) ディスカヴァー・トウェンティワン刊 の中で、著者が引用していた、大竹文雄教授(阪大)の一文に得心すること、しきり。

因みに大竹先生、Eテレの「オイコノミア」という番組で(芥川賞作家の)又吉直樹先生o(^-^)とご一緒することが多い、髪の毛ツンツンの先生です(大竹先生、いつのまに副学長になったんですか! さらにいえば、橘木先生と「日本の格差」問題を巡って論争した(論破した)その世界では有名な先生)。

-------------以下引用(強調BLOG主)

平等主義的な教育は、「人間が生まれながらに持つ能力には差がない」という考え方が基礎となっています。

ですから、努力次第で全員がよい成績を取れると考えるわけです。

しかし、残念ながら、現実にはそうではありません。

子どもの学力には、遺伝や家庭の資源など、子ども自身にはどうしようもないような要因が大きく影響しています。

しかし、平等主義的な教育のもとでは、こうした現実にはあまり目が向けられることはありませんでした。

この結果、子どもは、本人が努力しさえすれば教育によって成功を得られる、別の言い方をすれば、成功しないのは、努力をせずに怠けているからだと考えるようになってしまい、不利な環境におかれている他人を思いやることのないイヤなタイプの人間を多く育ててしまっているのです。

-------------引用終了

この一文は、まず教育関係者が目を通すことがないであろう、『経済セミナー』2015年2/3月号』に掲載されていたモノです。

強調した部分に関しても、ちゃんとエビデンス(科学的根拠)があるんだそうで、(↓こちら)。

Ito, T. , Kubota. K, . & Otake, F., The hidden curriculum and social preferences. RIETI Discussion Paper, 14-E-024. Reseach Institute of Economy, Trade & Industry.

英文で、それも経済系の論文誌なら、それを見る人、限られますねぇ。

教育関係者ならば、フーテンの寅さんの如く、

「それをいっちゃぁ、おしめぇよぉ~。」

と、感じてはいても、正面切ってなかなか言えそうもないことを、「経済学者」の観点から言っちゃっています。

その最たるモノが、この本の帯についている目次(↓)。

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そして、カバーにも読者を挑発するこんなコピー(↓)。

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なんせ、日本では教育を受けたことのない人はいないだろうから、みなさん自分の経験をもとにして一家言もっているものです。それが「現状に合わない」ノスタルジーに包まれていたとしても、です。

教育を左右する文科省の政策は、エビデンスがなくても、なぁ~んか雰囲気でず~っとやってきた、そんな印象ありませんか? 例えば、「生きる力」とか、「ゆとり」とかね。

この本、ディスプレイ本棚に置いておきます。


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今日の南アルプス(↓11:00撮影))。久しぶりの青空!

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今日のストームグラス(↓)。

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お客様からいただいたプルーン(お通じがよくなりますo(^-^))。ごちそうさまです。

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