日本創成会議の増田寛也さんが昨年、具体的な自治体名を挙げて指摘した「消滅可能性」のある市区町村。

中公新書でも、カバーにカバーをつける!という販売戦略で、それもド派手な赤だったもんだから、新書コーナーではめちゃくちゃ目を惹いていました(↓)。

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その続編が、今年出ています(↓右側。左側は赤いカバーを外した『地方消滅』)。

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今回カバーの色は「青」で、全編冨山和彦さんとの対談。

冨山さんといえば、例の「G型大学・L型大学」を提案して、炎上した人ではありますが、今回の本旨はそこにはなく(多少あるけど、L型大学が地域のために何ができるかという提言等で)、地方の効率化をず~~~~っと指摘しています。

ふと、次のような指摘を読むと・・・・・・。

-------------以下引用

増田:各地方には商工会議所、経済同友会、経済連合会といった経済団体があります。

そうした団体や、そこに属する経済人がステークホルダー(利害関係者)として、今の秩序を残しておいたほうが都合がいい、というケースもあるかもしれませんね。

そうした状況をいかに改善していけばいいでしょうか。

冨山:ある意味、地方経済か中央の縮小コピーになっていて、政・財・官のトライアングル構造かできあかっている。

このことは地方の生産性向上を阻む一つの要因だと思います。

地方の場合、そうしたトライアングルが切磋琢磨してイノベーションを起こし、生産性を高める方向ではなく、中央に陳情して補助金を獲得したり、政府系金融機関からお金を引っ張ってくることにエネルギーを使ってきました。

私の印象だと、七対三で陳情のほうに力点がある。

増田:対する国のほうにも「ミルク補給」の仕組みがありました。

公共投資の拡大を求める声がいまだにありますね。たしかに公共投資は短期的な景気対策としては有効ですが、人口減少のような構造的な問題には効果的ではありません。

長期的な雇用に結びつかないからです。

それは、これまでの政策の結果か物語っています。

ミルクを補給していては、地方経済になかなか競争が生じず、生産性が低い企業を市場から退場させるような新陳代謝を呼び起こすエネルギーが出てこない。

-------------引用終了

これまでの経過の中で(それは江戸時代からであったり、明治以降であったり、WWⅡ以降であったりと時期は違うものの)地域の顔役としての地歩を固めているステークホルダーが、「退場」したほうがいい場合もあると思うんですね。

自分たちのステージは終了、次にこの地域を牽引していくのは、こーゆー人々(や組織)っていうふうに。

(プロ野球の再編問題で、我々はステークホルダー達の醜い言動を見てきました。結果、「新興」の楽天、ソフトバンク、少し時期は後だけどDeNAが球団を持つに至っています。地方ではより強固にステークホルダーが世襲されていく、そーゆー蛍光、いやもとい傾向がありますから、大きな変化なんて経験できないところ、多いかも。)

次のグラフ(↓)、

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東京(圏)一人勝ち、名古屋圏、大阪圏はなんとか現状維持、その他の道県は東日本大震災後、より転出が増加中という、この現実をリアルに見せてくれます。

地方においては、もう撤退戦が始まっているのに、まだまだ経済成長期と同じ「夢」を持とうなんざぁ、無理あるでしょ。

「次」のステージは、じわじわとやってくるので日々実感することはあまりないけれど、カーブを曲がり終えたら、

「あぁ~ら、こんなんになっちゃって!」

というふうな構造に人口問題はできています。

昨年、5月6日のブログ5月10日のブログを読み返してみても、ポイントは「どこの自治体が子どもを育てやすいところなのか?」という点にある---そんな指摘になっています。

知恵のないところは、行政のサービス合戦になってしまう---そんなところ、あるのかも?


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。

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今日のストームグラス(↓)。

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