名著『失敗の本質』から四半世紀、待望の続刊。

サブタイトルに「戦場のリーダーシップ篇」とついています。が、ビジネスもある意味、戦場なので、そして戦後連綿と続く、日本人と日本人がつくる組織の陥穽、これはいっこうに変わっていません。

で、

『戦略の本質』 野中郁次郎編著(2005) 日本経済新聞社刊---で、指摘していたダメな日本人とその組織の対極にあるリーダーとリーダーシップについて、野中先生が「はじめに」で、次のようにまとめています。

これが、山奥にある当店店主にとっても、市場という戦場に参戦するための、目から鱗の指摘なんです。

-------------引用開始

「戦略の構想力とその実行力は、日常の知的パフォーマンスとしての賢慮の蓄積とその持続的練磨に依存するのである。

戦略は、すべて分析的な言語で語れて結論が出るような静的でメカニカルなものではない。

究極にあるのは、事象の細部と全体、コンテクスト依存とコンテクスト自由、主観と客観を善に向かってダイナミックに綜合する実践的知恵である。

それは存在論(何のために存在するのか)と認識論(どう知るのか)、あるいは理想主義とプラグマティズムを、実践においてダイナミックに綜合する賢慮そのものであろう。

戦略の本質は、存在をかけた『義』の実現に向けて、コンテクストに応じた知的パフォーマンスを演ずる、自律分散的な賢慮型リーダーシップの体系を創造することである」

詳細は第一章に譲るが、フロネシスの中身を一言で言えば、個別具体の物事や背後にある複雑な関係性を見極めながら、社会の共通善の実現のために、適切な判断をすばやく下しつつ、みずからも的確な行動を取ることができる「実践知」のことをいう。

そうした知を備えたリーダーがフロネティック・リーダーだ。

『失敗の本質』 野中郁次郎編著(2012) ダイヤモンド社刊 より

-------------引用終了

当店経営では組織があるわけでもなく(人を雇っていませんし・・・o(^-^))、リーダーシップを発揮する必要に迫られたりもしません。

ただ、何か決断を下す時(1回ならず、その連続においても)、それはまさに「戦略の本質」を射たものではなければならない---そーゆーことがひしひしと伝わってくる一文です。

自分にはそれ相当の「実践知」が身についてきているのだろうか?

ふと、胸に手を当ててみるのでした。


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。

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今日のストームグラス(↓)。

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