2年ほど前、次のような「仮説」のブログを書きました(こちら)。
実はこのブログの中で印象的なのが、次の一文だったのです。
以前、東北のとある地方都市のレポートを読んでいたときのこと。
インタビューを受けた人が、
「旦那が東北電力勤務か公務員で、奥さんが教員、ジジババが田畑を耕して、農繁期は一家総出で野良仕事。三世代同居の一戸建てに住んでいるウチが、ここじゃぁいちばん豊かな家だな。」
というような発言だったと思う。
これを確認するような or 裏付けるような(!?)、新聞記事がローカル紙の第一面に載りました(南信州新聞2016.12.25付け)(↓)。
飯田市職員の役職別給与の内訳。
地元に地域経済を牽引するような大企業がない地方都市としては、文系の就職先に公務員や地銀・信金の人気が高い(その職業に向いているか否かは関係なく)---日本各地で見られる光景です。
(同じ県内であっても、諏訪地域にはE社があるので、そんな構図とは別のヒエラルキーがあるみたいです。)
で、
誰もが公務員や金融マン・金融ウーマンになれるわけではないので、地方では生きるためのリスクヘッジを、オカネだけに依存しないように築いています(社会がそーゆーふーに組み立てられています)。(オカネはあったほうがイイんでしょうけれど、オカネが少ない分、それ以外のめんどくささとバーターです)。
このへんのリスクヘッジとは?---今年10月、田鹿倫基さんが次のような指摘をしていました。
-------------引用開始
東京にいると貨幣経済が大部分を占める経済モデルのため、貨幣を得ることが得意でない人は非常に苦しい生活を強いられますが、物々交換、貸し借り、自給のそれぞれの経済パターンもある地方であれば、その他の経済パターンが補完してくれるのでリスクヘッジが効き精神的にも楽になるでしょう。
物々交換や貸し借り経済を成立させるための活動がめんどくさいという人は東京の貨幣経済に集中すればいいし、貨幣を得るのが得意ではないな、、、という人は地方で生活し他の経済パターンも取り入れた生活をする、という選択も合理的かもしれません。
経済パターンが構築されるためには、何に信用が置かれているか、ということが肝になります。
貨幣経済はお金に信用が置かれています。
しかし、地方の経済はお金以外にも信用の拠り所はたくさんあって、物々交換経済であればモノそのものに信用があり、貸し借り経済は◯◯家だったり、個人に信用があり、自給経済は肥沃な大地や良質な漁場に信用があるわけです。
地方に行けば行くほど経済のパターンが複数化し、安定したポートフォリオが組めるようになります。
地方では確かに平均所得は東京よりも低くなりますが、その低くなっている金額部分を数値化出来ないその他の経済パターンで穴埋めしているわけです。
これが平均所得や地域経済の数字からでは見えてこない地方の経済の実情なのです。
-------------引用終了
(田鹿倫基さんをマーケティング専門官として招いている宮崎県日南市、「地方創生」としての取り組み、注目です。)
我々庶民は、案外したたか、なんだと思います。
「生きよう!」(田中安恵)、「生きねば!」(森山みくり)。
---
今日の南アルプス(↓11:00撮影)。
今日のストームグラス(↓)。
オ・マ・ケ(↓お客様からいただきました、「市田柿」)。これは、お裾分け経済(^_^)。
コメント
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。