先日訪問した韮崎旭温泉に掲示されていた、この新聞広告(↓)。

イメージ 1



























あれだけすばらしい泉質の韮崎旭温泉が第三位にランキングされていて、じゃぁ、第二位・第一位って、いったいどこ?

幻冬舎新書の広告部分をアップ(↓)。

イメージ 2








































第二位 「アサヒ湯」(北海道)

第三位 「韮崎旭温泉」(山梨)

第四位 「蔦温泉」(青森)

第五位 「千原温泉」(島根)

と、ランキング。じゃぁ、第一位は・・・・・・、「本を買って読んでね!」---ということらしい、です。

はいはい、これ(↓)。

イメージ 3






































新書にしては分厚くて、500ページオーバー。

ランキング形式での記述ではなく、著者(高橋さん)が、ホンダ・ステップワゴンで日本中の温泉を約1年かけて、3016湯を巡ってきたという記録集(レポート)。

行った先々での温泉の印象をまとめて記述してあるものの、どこをどーみても、ランキング形式の表示ページはみあたりません。

どーやら、幻冬舎新書の新聞広告は、「買わせんがための釣り広告」らしい。

んじゃ、どこが第一位なんじゃ?

取りあえず、韮崎旭温泉の記述を読んでみましょう(↓)。

-------------引用開始(強調BLOG主)

韮崎市にある「韮崎旭温泉」(第1549湯)は、甲府の泡付き温泉の代表格。

外観は畑の中にぽつりと建つ平凡な日帰り温泉施設だが、尋常ではないくらいに泡付きが見られるのだ。

湯船に体を沈めてから三秒後にはすでに小さな気泡が付着し始め、一分後には体中の皮膚という皮膚すべてが隙間なく白い泡で覆い尽くされる。

シュワシュワという音が聞こえてきそうだ。

これまで体験したことのないスピード感と密度である。

体に気泡が付着した状態で立ち上がると、気泡がいっきに弾け飛び、その直後に訪れる清涼感は泡付き湯ならではの楽しみだ。

また、鉄&塩味のある湯を飲泉するとゲップが出そうになるのは、それだけ多量の炭峻ガスを含んでいるからだろう。

全国でもトップ3に入る極上の泡付き湯に大満足である。

-------------引用終了

続いて、第二位の「アサヒ湯」(北海道帯広市)の記述(↓)。

-------------引用開始(強調BLOG主)

十勝平野に湧く温泉の多くがモール泉であり、全体的に質も高いのだが、なかでも“キング・オブ・モール泉”の称号を与えたいのは、帯広駅近くの市街地にある帯広温泉「アサヒ湯」(第808湯)。

約六〇年の歴史をもつ温泉銭湯だ。

二〇〇七年に店主の病気療養のため、一時廃業したが、「アサヒ湯」に惚れ込んだ新オーナーが買い取り、リニューアルオープンしたという。

それほどまで人をとりこにする泉質なのである。

外観は、小さいけれど建て替えられて間もないので清潔感がある。

湯船は五人も入ればいっぱいになるサイズだが、薄い茶褐色の湯が湯船の中から投入されており、湯が白く濁って見えるほど大量の気泡が舞っている。

三〇秒ほど湯船に浸かっているだけで、体中に細かな気泡が付着し始める。

温泉に含まれる炭酸ガスが体に付着するのは、湯が新鮮な証拠だ。

しかも、付着する気泡の量は尋常ではなく、手ではらってもはらっても、どんどんくっつく。

気泡が付いた肌をこするとスベスベするどころか、ヌルヌルといった感触。

モール泉特有の植物系の香りと硫黄がミックスされた匂いもすばらしい。

まさにモール泉の最高傑作だ。

-------------引用終了

これほどまでに賞賛していて、「アサヒ湯」は第二位。

500ページが、だいたいこーゆー感じで綴られています。

つまり、読了して初めて、著者がどこを第一位としているのかがわかるのか?

著者の高橋さんの好物は、

小さい、鄙びた、地味」な温泉です。

訪問ルートに沿った温泉レポートなので、いま私は、パラパラとランダムに読んでいます。

すると、次のような記述を発見!

-------------引用開始(強調BLOG主)

ラムネ温泉も十分魅力的だったが、それ以上の衝撃を与えてくれたのが、同じ竹田市の小さな集落にある七里田温泉「七里田温泉館下湯」(第2345湯)。

「木の葉の湯」という立派な日帰り施設から一分ほど歩いたところにある小さな共同浴場のような湯小屋が「下湯」である。

何十年も前に建てられた湯小屋なのでだいぶ年季が入っているが、レトロな雰囲気が好きな人はテンションが上がるかもしれない。

もちろん、私は鄙び系の温泉が大好物である。

だが、無銭入浴を防ぐための設備は意外とハイテク。

入口に防犯カメラが設置してあり、建物に近づくと、「防犯カメラに映っています」という音声が流れる。

六人ほどが浸かれる湯船にはすでに先客が五人いたので、空いている一人分のスペースに体を沈めた。

すると、その瞬間、シュワシュワと泡が弾けるような感覚に襲われ、たちまち泡付きが始まる。

その瞬発力は「ラムネ温泉」の比ではなく、一分後には肌はびっしりと気泡で覆われる。

これほど気泡が付着するのは、炭酸ガスの濃度が高いからである。

よく見ると、水面で気泡がパチパチと弾けている様子も観察できる。

一緒に入浴している人に聞いた話によると、空気よりも重い炭酸ガスが下のほうにたまり、かつて酸欠状態になって命を落とした人もいるとか。

そうした事態を防ぐために、換気扇がブォーンと大きな音を立てて勢いよく回っていた。

三六℃の湯は熱くもなくぬるくもなく、まさに極楽。数々の泡付きの湯に浸かってきたが、三本の指に入る気持ちよさだった。

-------------引用終了

ここ、大分県竹田市にある「七里田温泉館下湯」の記述です。

ここが三本の指に入る---ということは、既に第三位の韮崎旭温泉、第二位のアサヒ湯が登場しているので、ベスト・ワンはここなのか!!

他の温泉の記述でも「お褒めの言葉」が散見されることから、若しかしたら「ここ」じゃないかもしれません。

温泉(or温泉旅館)に、豪華さや料理の美味しいさ等を求める人もいるでしょう。それはそれで構わないわけで、著者の高橋さん(温泉エッセイスト)のスタンスは、それとは一線を画していて、先述の「小さい、鄙びた、地味」な温泉好きで、泉質や源泉掛け流しかどうかを重視しています。

この貴重な「記録集」をもとに評価の高かったところへ足を運んでみるのも、温泉好き(私です)にとっては一興かもしれません。

『日本一周3016湯』は、「赤棚」に置いてあります。


---

今日の南アルプス(↓11:00撮影)。午後は雨の予報。

イメージ 4











































今日のストームグラス(↓)。

イメージ 5

















オ・マ・ケ(↓先日いただいたサヤエンドウ---今年の初物---をパスタで絡めてみました。ごちそうさまでした)。

イメージ 6