昨日、『捨てられる銀行』(橋本卓典著・2016)講談社現代新書と、その続編『捨てられる銀行2・非産運用』(橋本卓典著・2017)講談社現代新書---が届いたので、まずは前者から読み始めました。
森長官が進める改革はこんなにもドラマティックなのか---と思うコトしきり。ぐいぐいと引き込まれて、一気読みです。
地方在住の身としては、シュリンクしていく地域を目の当たりにしていますから、
「銀行残って、地域枯れる。」
こーゆーふーにならないための処方箋が次々に打ち出されていることに、(゚∀゚)だったのです。
それはリレーションシップ・バンキングであったり、短コロの復活であったり、地元企業の事業再生のために汗をかく地域金融の本来の在り方だったりと、正論でズバズバと斬り込んでいます。
3時のおやつタイムに、ふと、受信したメールを見ると、これも偶然ですが、森長官がお話しした
日本証券アナリスト協会 第8回国際セミナー「資産運用ビジネスの新しい動きとそれに向けた戦略」における基調講演(2017 年4月7日)---を紹介してくれており、ポチッとな(こちら。リンク先はPDF)。
そこで森長官は、次のように仰っている。
-------------引用開始
皆さん、考えてみてください。
正しい金融知識を持った顧客には売りづらい商品を作って一般顧客に売るビジネス、手数料獲得が優先され顧客の利益が軽視される結果、顧客の資産を増やすことが出来ないビジネスは、そもそも社会的に続ける価値があるものですか?
こうした商品を組成し、販売している金融機関の経営者は、社員に本当に仕事のやりがいを与えることが出来ているでしょうか?
また、こうしたビジネスモデルは、果たして金融機関・金融グループの中長期的な価値向上につながっているのでしょうか?
-------------引用終了
これにはちゃんと裏を取っていて、こーゆーことらしい(↓)。
-------------引用開始(強調BLOG主)
日本で売られている公募株式投信は5406本ありますが、そのうちインデックス型株式投信は381本です。
これから、複利の利益が得られない毎月分配型の投信、レバレッジのかかった投信、信託期間が短く長期投資を前提としていない投信を除き、ノーロードで信託報酬が一定率以下のものに限ると、積立NISAの対象として残ったものは50本弱でした。
資産運用の専門家が、個人の安定的な資産形成に資すると勧める特徴を持った投信がこれだけ少ないという事実は、我々も業界も深刻に受け止める必要があると思います。
-------------引用終了
つまり、繰り返すと、
毎月分配型の投資信託も、レバレッジのかかった、ブル型、ベア型の投資信託も、運用期間が短くて、長期投資を前提としていない投資信託も、「顧客本位」と言えない商品であると、明言されているわけです。
念のため、発言の主は、森信親金融庁長官ですからね。
続編『捨てられる銀行2・非産運用』の内容は、この講演で示されている骨子を解説しているものと想像できますネ。
帯(裏)には、
顧客のカネを高い手数料で奪い、
「悲惨運用」「非産運用」を繰り返す
銀行・証券・生保・運用会社は
森金融庁によって「見える化」され、
自然淘汰に追い込まれる!
「フィデューシャリー・デューティー」のない
金融機関は、ゼッタイに生き残れないのだ。
とあります。
こちらは、来週読むことにします(一寸だけ、寝かせておこう)。
因みに前著は15万部突破、もっと売れていい「言ってはいけない」本音本だと思います。
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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。

今日のストームグラス(↓)。

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