昨日のニュース、

与党税制協議会は、所得税改革による会社員の増税対象を「年収800万円超」とした当初案を見直すことで一致し、中間層の負担増を懸念する公明党の意向を受け入れ、増税対象を絞り込み、「850万円超」とする案で調整する見通し。

とのことです。

じゃぁ、どれくらいの人がその850万円に該当するのか、一例として、飯田市職員の2015年度職責別年間平均給与でみてみましょう。

役職なし 458人 平均年齢39歳 472万円

係長    117人 平均年齢49歳 639万円

課長補佐 58人  平均年齢53歳 685万円

課長    42人  平均年齢56歳 775万円

部長    13人  平均年齢58歳 854万円

ということで、部長職の皆さんが850万円超で該当します。率としては13/620人、2%です。

ただ、残業手当等の+α分はこれに加わっていないでしょうから、もう少し該当者が増えるかも・・・・・・。

ここまで書いてきて、以前に読んだ大村大次郎さんの本を思い出しました。

それによれば、

戦前は給料や所得には、所得税、住民税が課せられておらず、それに該当するモノは、第二次大戦直前の臨時特別税からなのだという。

さらに、

高額所得者に課せられていた所得税も、太平洋戦争前までは一律8%であり、累進課税ではなかった。

また、法人税という概念はなく、企業も個人と同じように8%の所得税が課せられていただけである。

こんなオカネに纏わる身近なことも、知りませんでした(戦前は、近年の「格差社会」なんていうもんじゃないですぜ。上記の税制では富める者がより富んでいく社会です)。

著者の大村さんは、この本の「あとがき」を次のように締めくくっています。

-------------引用開始

冷静になって考えれば、富裕層を優遇することは、間違いなく経済を停滞させることがわかるはずである。

なぜなら、富裕層は、もともと十分な消費生活をしているのだから、それ以上、収入が増えてもなかなか消費には回らず、貯蓄や金融商品に回ってしまう。

一方、貧困層は収入が減れば、たちまち消費が減るので経済は停滞する。

物が売れないので、物の値段は下がり、デフレとなる。

これは、少し考えれば、誰にでもわかる理屈である。そして、理屈だけではなく、現実もその通りになっている。

日本が富裕層優遇政策を採りはじめたころから消費は低迷し、デフレ不況となった。

その一方で金融資産ばかりが増加し、今では1500兆円を超えるまでになっている。

これは、「富裕層にお金を回しても、消費には行かず貯蓄が増えるだけ」という理屈がそのまま現実になっているのである。

昨今になって、政治家もようやくそのことに気付き、安倍首相なども「賃金アップ」を財界に働きかけたりしている。

が、それ以前の富裕層優遇措置が効きすぎており、ちょっとやそっと賃金アップをしたくらいでは、とてもデフレや格差社会は解消しないのである。

(中略)

「お金」を軸にして、世界の国々や日本の歴史を眺めた場合、ある重要な共通項があることに気付く。

「特定の人たちだけが潤うような世の中は、必ず長続きしない」ということである。

今の日本が、そういう世の中に近い状態になっていることを再度、確認し、筆をおきたいと思う。

『お金の流れで読む日本の歴史』 大村大次郎著(2016) KADOKAWA刊 より

-------------引用終了

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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。

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今日のストームグラス(↓)。

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