山崎亮さんは当地に講師としておいでになったこともあり(この日のブログ参照)、いや、それ以前から私にとっては「気になる人」の中のおひとりです。

で、

彼がNHK・「東北発☆未来塾」の講師として実践していた取り組みを一冊の本にまとめたモノがありまして、それが、『まちの幸福論』 山崎亮・NHK「東北発☆未来塾」制作班著(2012) NHK出版刊---東日本大震災から間もない時期に取り組んだものです。

で、今日のタイトルに言及した箇所(↓)、

----------引用開始

(前略)

出てきたのは、プランドハプンスタンス理論という聞き慣れない言葉だった。

「これはスタンフォード大学の、クランボルツ教授という人が唱えた理論です。

plannedというのは「計画された」ということ、happenstanceは「偶然の出来事」。

「計画された偶然」というと、言語的には矛盾していますね。

「偶然を計画するってどういうことだよ」と思うかもしれない。

けれど、世の中には幸運な偶然が重なって、おもしろい人生を歩んでいる人たちがたくさんいる。

そういう人たちは、じつは知らず知らずのうちに、自分にとって幸運な偶然が起きやすい行動を取っているんです」

たとえば、コミュニティデザインという仕事に興味が湧いたとき、ふたつの選択肢があったとする。

ひとつは、2000円で山崎さんの本を買って読むこと。

もうひとつは、同じ2000円を払って山崎さんの講演を聴きに行くこと。

本を読めば「10」の情報が得られるが、講演で聴ける情報は「3」程度。

同じ金額を使うなら、本を読んだほうがいいと思えるかもしれない。

しかし、幸運な偶然を起こす人たちは迷わずに講演に行くことを選ぶと、山崎さんは言う。

「会場へ行けば本人に質問ができるし、知り合いになれるチャンスもある。

それに、自分と同じ興味を持った人たちが会場には大勢来ているわけだから、仲間をつくることだってできる。

仲間ができれば、本ではわからない情報を得られたり、一緒に何かをやろうという話が持ち上がったりするかもし
れない。

そういう可能性を求めて行動している人が、幸運な偶然を手にできる。

その意味では、この企画に参加してみようと思って行動したここにいる17人は、みんな幸運な偶然を起こせる人たちだと思います」

山崎さんはノートパソコンを取り出し、幸運な偶然を起こす人が持っている5つの特徴をまとめたページを、学生たちに示した。

好奇心 好奇心を持ち、広げる

持続性 すぐには諦めず、やり尽くしてみる

楽観性 大半の恣意的なコメントよりも、ひとりの前向きなコメントを心に置いてみる

冒険心 失敗はするものだと考え、いまある何かを失う可能性よりも、新しく得られる何かにかけてみる

柔軟性 状況の変化に伴い、一度意思決定したことでも、それに応じて変化させればよいと考えてみる

『まちの幸福論』 山崎亮・NHK「東北発☆未来塾」制作班著(2012) NHK出版刊 より

----------引用終了

文中の17人は、山崎亮さんの「東北発☆未来塾」に参加した学生たち(あれから7年、みんなどーなっているのだろう?)。

今、衰退する地方にあっては、「幸運な偶然を起こす人が持っている5つの特徴」のある人が、どんどんとその地域から出て行ってしまっているのではなかろうか?---私の憶測です。


実は、この本、帯に『まち(づくりによる)幸福』論のキモが書かれています(↓)。

イメージ 1
























山崎さんがオーストラリアに留学中、妹島和世さんからアドバイスを受け、

「そう言われたとき、背中を押された気がした」

というエピソードは、「偶然の出来事」をその後あたかも「計画された」ものであったかのようにしていく実例のようでもあります。


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。

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今日のストームグラス(↓)。

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