先日の『GAFA』を読んでいて、もう長野県にはいない知人から紹介された一冊の本を思い出しました。
彼は、スタッキングシェルフに並んでいる書籍を見て、
「こーゆー見方もあるから・・・・・・。」
と、水野和夫さんの新書を教えてくれました。
それが、『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』 水野和夫著(2017) 集英社新書---です。
今という時代を「資本主義の終焉」と捉え、21世紀の近未来図を描いたモノです。
まず、「今」をこーゆーふーに捉えます(↓)。
----------引用開始(強調BLOG主)
ここにきてグローバリズムに背を向けようという意識が、先進各国の国民の間で広まったのは、いったい、なぜでしょうか。
大きな歴史の見取り図をもとに言えば、13紀初頭に始まった資本主義が最終局面を迎えていることと無縁ではありません。
投資をしても利潤を得ることが極めて困難な「資本主義の終焉」という「歴史の危機」において、利潤獲得が難しいがゆえに、資本の側が、わずかでも利潤が得られるのであればとあらゆる国境の壁を越え、なりふりかまわぬ「蒐集」をおこなうようになってきたのです。
これこそが、グローバリゼーションの正体で、元来、国家が市場を適度に規制することなどによって保護されてきた社会の安定が、ナオミ・クラインの言う「ショック・ドクト リン(惨事便乗型資本主義)」も厭わないグローバルな資本の動きによって脅かされる。
そうなると、国内の格差や貧困という形でしわ寄せを食うのは、「九九%」という言葉で象徴される一般の国民です。
そうした現実が先進国のなかで目に見える形で現れてきたために、政治のうえでも「反グローバリズム」を標榜する党派が、集票できるようになった。
つまり、各国の国民はグローバルな資本がもたらす不安定性から自分たちを守ってくれる「国民国家」の強化を求めているようです。
フランスやイタリアなどでも、あるいはEUの盟主となったドイツですら、同じ動きが見て取れます。
たしかに世界は「閉じていく」プロセスに突入しました。
利潤をもたらしてくれるフロンティアを求めるために地球の隅々にまでグローバリゼーションを加速させていくと、地球が有限である以上、いつかは臨界点に到達し、膨張は収縮に反転する。
資本の自己増殖を目的とする資本主義が限界に達している現在、これは当然のなりゆきです。
----------引用終了
そして、世界は「閉じていく」プロセスに突入した後、登場するのが「閉じた経済圏」なのだそう。
この経済圏で築かれていく「信頼の経済」を、トヨタ自動車の例で示しています(↓)。
----------引用開始
「閉じた経済圏」では、会社と株主など利害関係者の距離を「より近く」することで、会社と利害関係者の間の信頼を維持していくことが可能となります。
たとえば、トヨタは2015年7月に新型株を発行しました。
配当は通常の株式より低く、発行後五年間は譲渡や換金はできませんが、その後は発行価格で買い戻しを請求できる、いわば元本保証付きの株です。
このトヨタの新型株式には、今日買い明日売って利益を稼ぐような「より遠い」投機家とは縁を切り、企業活動を長期的に応援してくれる国内の投資家と信頼関係を築いていきたいというメッセージが込められています。
そして定常状態が実現すれば、現金配当はゼロでよく、代わりに株主には現物給付すればいい。
外国人株主は自然と遠のくことになり、利害関係者が目に見える範囲で企業統治をおこなうことができるようになります。
----------引用終了
これは、豊田章男社長が師と仰ぐかんてんぱぱ(R)・塚越会長のいう「いい会社」が目指す姿勢と、それを応援しようと考える株主との関係を、トヨタ流に考えたモノのように思うのです。
一方、
私が引っかかったことがあります。それは地球上の空間的なフロンティアはもう無くなってしまったものの、GAFAに代表される資本主義の権化たちは、そのフロンティアを電脳空間と宇宙空間に求め、そこを開拓することで現実社会をより便利にさせることに成功し、勝者総取りとなっているという点です。
まだ、「そこ」にはフロンティアが広がっているのです。
今、TBS系で放送されている「下町ロケット・ヤタガラス」編でも電脳空間と宇宙空間を繋ぐことで、日本の農業を救おうとしています(今回はロボットトラクターの第一人者、北海道大学・野口伸教授がモデルです)。
再び、『GAFA』のあのフレーズ(↓)、
人類を幸せに導く聖なる四騎士なのか? それともヨハネの黙示録の四騎士なのだろうか? どちらの問いに対する答えもイエスだ。
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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。

今日のストームグラス(↓)。

オ・マ・ケ(↓三日坊主めくりカレンダー)。今日は、「回転寿司記念日」だそうな。もう一つ、今日は11/22なので(一年前のBLOG参照)、「条件」を満たしているお客様には、オ・マ・ケがあります(なくなり次第終了です)。

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