当地の地域おこし協力隊員の方は、過去、3人続けて任期途中で辞められたそうです(過去のブログ)。

先日読んだ本に、「田舎暮らし」に関するリアルな本音が書かれていて、目から鱗の連続でした。

----------引用開始(長いですぜ)

長野県のある現役村議が力を込めて、こう主張する。

「まったく、年金もらってる連中ばっかり来やがって。

これじゃあ、何のための移住促進かって、役場にはよく言ってるんだ。

年金の人間が来たって税収が増えないわけですよ。

高齢者の医療費がすさまじくて、もう村の財政ではやっていけないんだ。

うちの村なんかは、本来はやってはいけない一般財源からの医療費補填をしてるんです。

もう医療費は破綻寸前なんだ。

そこに、空気がきれいですね、なんて年金生活者がいくら入ってきても、医療費だなんだで村に負担がかかるだけで、税収増にはならないんだよ。

年金の連中ばかりじゃない。

若いのもそう。

農業をやりたいんですなんて、次から次に若いのが入ってくるけど、みんな、都会でまともに仕事もなかったようなやつらばかりで、すぐにいなくなっちまう。

だから役場にはよくよく言ってるんだ。

転入させちゃったら出ていけなんて言えないんだから、その前によく転入希望者の懐事情を調べろって。

移住促進なんて、本来は必要ないんだから。

カネが入ってこない、負担だけ増える移住ブームなんて、村にとっては何にもいいことないんだよ」

そんな村議の言葉を裏付けるように、ある村内有力者もこう声を潜める。

「やっぱり、村に関係のない者を受け入れるっていうのは最初はすごく抵抗があった。

治安はどうなる、都会の人間は危ないって。

村で造った村営住宅にしろ空き家にしろ、外の人間に貸したら、村が荒れるんでないかって。

で、数年前に寄り合いでいろいろ話しあって、結局、このままではもう村の財政がもたない。

外の人間を呼んでこなけりや、年寄りの生活がだめになっちまうっていうことで、ようやく、みんな納得したわけだ」

家庭菜園で適度に身体を使いながら空気のいいところでのんびり暮らしたいと願っている移住者には少々、酷な本音とも聞こえるが、移住ブームの一方で、定住率はやはりよくないようだ。

いわゆる町内会長にあたる、ある区長はこういう。

「俺なんかは、農家の次男坊だったから東京に出てホテルの支配人を辞めたあとUターンで戻ってきたけど、もう驚いたよ。

入れ替わり立ち替わりだよ。

移住はいいけど、定住しないんだよ。

村ももう少し、定住しないのはなんでなのかを考えたほうがいいよな。

1年いれば長いほうで、数力月で出てっちやうのがざらだよ。

俺なんかもね、村に帰ってきてすぐこう言われたんだ。

おい、おまえさんざん東京でいい思いしてきて、年とったからって戻ってきて、俺たちのカネで暮らすのかって。

結局は、カネの話ばっかり。

もう、息が詰まりますよ。

いまでも1ヵ月に1回は後輩に連絡してホテルの部屋をとってもらって東京に出てますよ」

都会に疲れた移住者に人気なのは、どうしても市街地ではなく、空気がいい、風光明媚で人も少ない、そんな山間部の過疎地域になる。

しかし、そうした地方の自治体が移住者に期待するのは、決して人口増ではなく、村への実入り、つまり税収増への期待なのだ。

だがその期待の一方で、年金生活者や就農希望者など、地方に来る人たちは、大きな納税余力を持っていないという現実がある。

そこに、地方のいらだちが見える。

期待外れなのは、もちろん、自治体だけではない。

移住者にとっても、田舎暮らしはカネがかかるのだ。

都会の何倍もの国民健康保険料や介護保険料に加えて、住民税も高い。

「人口の少ない地域は例外なく、保険料と税金が高いのですが、事前に自治体はそうした情報はほとんど教えないし、答えません。

やはりそれを話してしまえば移住希望者が敬遠するとわかっているのでしょう。

仮に、現在の年収ではどれだけの保険料になるかと問い合わせても、本来はすぐにわかるはずなのですが、算定基準がうんぬんと言を左右にしてなかなか答えないのが実状です。

できるだけそこはあやふやにしておきたいというのが本音なのでしょう」

こう答えるのは、地方移住者の相談に乗っている東京・世田谷区の税理士だ。

『誰も教えてくれない田舎暮らしの教科書』 清泉亮著(2018) 東洋経済新報社刊 より

----------引用終了

人気番組、「人生の楽園」では決して語られないリアルな本音。

「画」にならないモノは放送されないし、取材される地方自治体や地域にとっては、テレビの取材が入るとなれば歓迎していることでしょう。

でも、それはあくまでもPRになるからで、日常すべてではないのです。

著者の清泉さんは地方移住暦20年超のベテラン・イジュラー。この本の「おわりに」で次のような境地で移住することを勧めています。

キーワードは、「敬意と感謝」(だと思う)。

----------引用開始(強調BLOG主)

田舎はことごとく開拓、開墾の地である。

どこまで行っても山岳地帯しかないこの日本列島に田園風景、畑が広がるのは、彼らが戦前から戦後も永く、開墾し続けてきたからである。

それは北海道への開拓移民や満蒙開拓団に並ぶ、それぞれの土地の者の血と汗の結果としての風景にほかならないのだ。

その歴史を直視せずして、素晴らしい風景、素晴らしい空気に水、などという表現は、それこそまず移住第一歩からして歴史を顧みぬ、風土と地元民に敬意を払わぬ、おちやらけにしか映らない。

それを思い知ったのち、あるときから、挨拶は次のようなものとなった。

「皆様が汗水流された末に作り上げられましたこの豊穣の地において、この地の歴史への敬意を以て、この地の歴史を作り上げられた皆様へのご敬服の念を胸に抱き、毎日を感謝して、この地の一隅にて生活させていただければと切にお願いを申し上げます」

地元住民が集まる公民館で挨拶に立ってこう腹の底から言葉を振り絞れば、まずは最長老の拍手を合図に、一気に拍手は万雷の音へと高まり、鳴り止まぬのであった。

私はそこに深々と頭を下げ、その勢いで畳みに頭をこすりつけ、移住者としての受入れを請うのである。

帰りがけ、ほろ酔い加減の長老が、こちらの手を握ってくる。

わけえのになかなか、挨拶がうめえずら。よろしくな、と。

----------引用終了

この書籍、スタッキング・シェルフに置いてあります。

先日、筍をいただきました。あくを抜いて下ごしらえ完了(↓)。

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で、本日、筍ご飯ができました(↓)。八穀米:コシヒカリ=1:5です(ちょっとポロポロ(_ _))。

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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。

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今日のストームグラス(↓)。

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