不動産事業プロデューサーの牧野知弘さんが今年、新書で出された本があります。

どーやらこれからは、働き方改革に象徴されるライフスタイルの変化に伴い、これまでの住まい探しの価値基準が崩れていくのだそうな。

東京に住むならば、「東京2020後」にやってくる、「街間格差」を視野に入れて考えてね!---具体的な地名がバンバンと登場し、同じ区内であってもそこでは、「輝く街」と「くすむ街」とに腑分けされています。

地方在住の身としては、不動産投資をするわけでもありませんから、「へぇ~!」と遠巻きに見ているだけでなんですケド。

そんな中、「あ~、これ、わかるぅ~」という指摘がありました(田舎でも、垣間見られる光景です)。

----------引用開始(強調BLOG主)

住まいを選ぶ際には各人の趣向によっていろいろな尺度があってかまわないと思っています。

ただし不動産屋的な観点からすると、住まいの価値において重要となるキーワードは街の賑わいであり「新陳代謝」です。

つまり元気な人々が一定限度、常に「入れ替わる」街こそ、発展する可能性を秘めています。

高度成長期やバブルの時期、郊外に出来たニュータウンを思い浮かべてみてください。

あるいは平成になって出来た大規模団地やタワーマンションを想像してみてください。

一度に出来上がった建物群には同じような年齢、年収、家族構成のファミリーが一斉に入居したはずです。

そしてその中では同時に子供が育ち、同時に親たちも歳を重ねていきます。

「街」の分譲当時には新しい「血」が入ってきたでしょうが、もしその後「血」の入れ替わりがなければ、どうしても「街」全体が衰えてしまいます。

一方で入れ替わりが起きているとどうなるでしょうか。

まずは不動産が動きます。

新しく人がやって来れば、不動産を借りる、買うといった商取引か生まれます。

新しく来た人は不動産とともに、家具や家電を買うかもしれませんし、商店や飲食店にお金を落とすかもしれません。

それによって「街」の経済は潤い、商売を志す人が新しく流入し、各店もトレンドを追うようになります。

つまり「街」が活性化していくのです。

しかし東京の現実を見ると、都心で働く人の「ベッドタウン」の役割を担っていた、ニュータウンの多くは現役世代への引き継ぎが円滑にできていません。

それは「現役世代が受け継ぎたい」と考えるような装置や機能が「街」に伴っていないからです。

では新陳代謝を促す装置や機能とは何か。それは「街の魅力」に尽きると私は思います。

具体的に言えば、コワーキング施設のようなハードとともに、街で暮らしていくためのソフトウェアの充実もポイントになるはずです。

常に新しい人が「街」にやってきて柔軟な思考と好奇心で活動する。

その人たちも含めた新しいサービスを考察して提供する。

こうしたやりとりが街の魅力を高めていくのではないでしょうか。

『街間格差』 牧野知弘著(2019) 中公新書ラクレ より

----------引用終了

「街おこし」「村おこし」「地域おこし」に携わっている人々は、日本各地の地方にたくさんいて、それも4~5年どころじゃなく、10年選手、20年選手というベテランの方々まで多士済々です。

ふと、集まる顔ぶれを見ると、それが「いつメン(いつも同じメンバー)」---皆さん、同じように齢を重ねてきています。

「地域おこし」に携わることが目的になってしまって、それをやってる当人たちは「取り組んでいる!」という充実感がありますから、「で、どーゆーふーに変わったの?」という検証がおざなりになりがちです。

そんな中、伊那谷でかねてより私が注目している自治体が、長野県上伊那郡飯島町(例えば、3年前のこのブログ)。

その後も役場の定住促進室は、オモロイ冊子を製作していて(↓)、

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「リアル飯島町」を正直に伝えています(たぶん)。

努力の成果はちゃんと現れていて(↓)、

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【転入 > 転出】 を平成の後半に維持し続けるというのは、相当の努力を(試行錯誤しながら、でも楽しく)しているのだと思います(たぶん)。

興味のある人は、足を運んでみてはいかがでしょうか? 当店から約20分です(先ずは、「道の駅」で情報収集しましょう)。


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。夏空のような雰囲気。

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今日のストームグラス(↓)。

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