先日、録りだめておいたテレビ番組のいくつかを見たんですが、その中に平成最後の日に放送された「NHKスペシャル 日本人と天皇」がありました。

1ヶ月前の今頃は、日本中が新元号「令和」を祝う雰囲気の中にありました(新天皇の即位を祝う祝賀ムードでしたね)。しかし、そーゆー時期にあって、この番組の秀逸だった点は、古川貞二郎氏をして、こう(↓)言わしめたところでしょう(それを放送したことでしょう)。

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その前段で、特設スタジオに「大嘗祭」の一部を再現して、ベールに包まれた祭祀の様子を見せてくれたり、天皇家の菩提寺であった御寺・泉涌寺への取材もあり(そう、「ボロン!」)、終戦直後に表明された故・三笠宮崇仁殿下の提言書だったり、「!?」の連続です。

その流れ(天皇と日本人の関係性)を受けて、「皇位の安定的継承」に関して報じていました。

一部の研究者にとっては、周知のことであっても、Nスペで、このタイミングで、この事実を報じたことは、大きな意味があると思うのです。

そう、天皇の側室について、です。

番組では、歴代天皇の大凡半分は側室の子どもであって、昭和天皇の「前」の正室の子どもはというと、約400年前の明正天皇まで遡るというのです(↓)。

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大正天皇は、側室を置きませんでした。たぶん、当時の世界のロイヤル・ファミリーにとっては、そーゆーシステムは既にスタンダードではなかったのでしょう。だったら、我がニッポンも!---と考えたのかもしれません。もう、当時のニッポンの自我は世界の「一等国」気分でしたから。

しかし、天皇を「万世一系」たらしめてきたのは、「皇室の藩屏」という皇統を絶やさないためのセーフティネットが用意されていたからです---それが側室の存在でした。

この事実は、小泉内閣時に設置された皇室典範における有識者会議において、重く受け止められたようで、次のように答申されます(↓)。

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その後、悠仁さまの誕生により、この答申は法制化(皇室典範の改正)まで至らず、立ち消えに。

それから13年も経過しました。

しかし、ニッポンお得意の「結論先延ばし」によって、いまも何も変わっていません(x_x)。

そーゆー状況を古川貞二郎氏は、既出のような危機感をもって表現されたのでしょう。

ヒドイ!---と思ったのは、平沼赳夫氏の言葉でした。

「悠仁親王に将来、男の子が沢山お生まれになることが望ましい」

「信じながら待つしかない」

---おいおい、今はもう「神国日本」ではありませんよ。こーゆー人々が天皇家を自然消滅させていくのでしょう。

戦後、GHQによって皇籍離脱された旧宮家の復活---そこに一縷の望みを託す・・・・か?

そう、「菊栄親睦会」。

有名どころで言えば、JOC会長の竹田恒和氏は、その血筋のお方(来月退任、IOCは既に辞任)。

ただ、世論調査では旧宮家の皇籍復帰に対しては、7割前後が反対しているのです。女性天皇とは違って、国民感情としても、認めがたいのが現実です。(『池上彰の天皇とは何ですか?』 池上彰著(2018)PHP研究所刊)

しかし、いざとなったら、最後の最後、もう、コレしかない!という状況になったら(そうさせないために動くのが「政治」なんでしょうケド)、継体天皇の例もあることだし・・・・(とはいえ、継体天皇の時代は今から1500年も前の話('A`))。

女性天皇、女系天皇に否定的な安倍政権は、意図的に何もしないで、そーゆー状況を創出しようとしているのかもしれん(悠仁さまの時代には、もう安倍政権じゃないだろうケド)。

戦後の象徴天皇制の下、こーゆー(↓)皇室典範があることに対して、世論の風がどっちに吹くことになるでしょう?

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あっ、そーそー、このNHKスペシャル「日本人と天皇」は、

2019年6月2日(日)午前0時35分〜(1日深夜) [総合]で再放送予定---です。


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。

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今日のストームグラス(↓)。

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