liddell coffee house リデルコーヒーハウス

【大切なお知らせ】2022年1月2日から、 次のように店の方針を変更しています。「 3名様以上の人数でのご来店は、お断りしています。」 つまり1~2人で、ご来店ください---ということです(3人以上で座れるお席はございません(_ _))。実際のところ、今は90%くらいが「おひとり様」のお客様です。

タグ:ブランド

先日、『隠れ貧困』 荻原博子著(2016) 朝日新聞出版社刊---を読んでいたら、次のようなエピソードがありました。

-------------引用開始

私は、原価1万円もしなさそうなバッグが、なぜ高級ブランド品というだけで30万円もの高額で売れるのか。

それが不思議で、いろいろなブランドの取材をしました。

そこで知ったのは、「高級ブランド」は、イメージという魔法で売っている商品だということでした。

たとえば、シャネルは、「エゴイスト」という香水を日本でヒットさせるために、サハラ砂漠であの映画「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督に極秘にCMをつくらせました。

そのCMを、「○月○日○時に放映します」という予告広告をフランス中で大々的に打ち、フランスの名だたるファッションリーダーがどんなCMだろうと興味を持ってそのCMを見た直後に、「エゴイスト」の実物をファッションリーダー200人の自宅に届けたのです。

CMを見てどんな香水かと思ったところに、間髪入れず玄関チャイムが鳴り実物が届けられる心憎い演出に、フランスでは軒並み高い評価の記事が出て大評判となりました。

シャネルがなぜこんなことをしたのかといえば、日本対策でした。

ファッションの本場フランスで大評判になれば、必ず日本でも爆発的に売れることを知っていたからです。

そのために、億単位の金と1年近い時間をかけて、大掛かりな仕掛けづくりをしたのです。

これは、高級ブランドのマーケティング戦略のほんの一例ですが、当時、海外ブランドにとって日本はドル箱でした。

ですから、日本での知名度を上げるために、あの手この手の用意周到なイメージ戦略を展開しました。

そこで、最も大切にされたイメージは、「高級ブランドを持てるのはセレブの証」というものでした。

ブランドメーカーは、女性誌を使って「ステキなブランドを持つ私」というステータスを作り上げたのです。

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ここでは具体的にシャネルのエゴイストという香水ブランドを挙げています。

発売時期は1990年ですから、日本ではバブル崩壊前夜の頃ですね。

当時、カンチガイしていたニッポン人は「ぎょうさん」おりましたので、そーゆーカモを相手にしたシャネルのブランド戦略だったのでしょう。

我々には既に「ブランド品(高価格品)だから高品質」という刷り込みがなされていますが、そもそも原価1万円を30万円で売るというのは、その価格の中に宣伝広告費等々、「品質」とは関係ないモロモロの経費が入っているわけで、それでも、よし---と判断した消費者が購入することで、ブランド・ビジネスが成立しています。

あれから約30年、もうそーゆーからくりは消費者に見透かされてしまっており・・・・・。

原価1万円にプラス適切な利益を上乗せした販売価格であれば、買いましょう---以前よりも多少は、賢くなったというべきなのか? 

いや、「失われた10年」が20年になり、それがもう30年になろうとしていても、不思議なモンで30年前よりも、生活が便利になっている実感があることは確かです。

ということは、その便利さにかかる経費にオカネを回すようになって、「原価1万円にプラス適切な利益」のお品で十分---そーゆー層が確実に増えてきたんじゃなかろうか(現在の20歳代)。今は、モノの品質も確かだし。

一方、アラフィフ層は「貯められない」主婦が多いんだそうな。

どーゆーことなのかというと、荻原博子さんは次のように見ています。

-------------引用開始

なぜ、50歳前後には、「貯められない」主婦が多いのか。

私は、その答えが、彼女たちの青春時代にあるような気がしてなりません。

今、50歳前後の女性たちが社会人になったのは、バブル真っ盛りの1985年から1990年。

ボーナス袋が、1万円札の厚みで立った時代です。

高級ホテルが常に満員で、酔っぱらいで溢れ返った銀座では、そこかしこで1万円札を振りながらタクシーを呼ぶ姿が見受けられました。

OLが、ランドセルのように30万円以上するヴィトンやシャネルのバッグを持ち、ブランド品を身につけていないと恥ずかしいような空気がありました。

そんなバブルまっただ中の88年、マガジンハウスから「Hanako」という女性誌が創刊され、一大ブームとなりました。

読者ターゲットは27歳の独身女性。

現在、50歳前後になっている女性たちです。

読者の大部分は、普通のお嬢さんたち。

貯蓄こそ美徳と思っている母親たちの世代とは違い、青春の花開く時期に、バブルという巨大な消費パラダイスのまっただ中に放り込まれた彼女たちは、「質素倹約」という親の枷を振り払い、消費の大海原を自在に泳ぐ自由さを手にしました。

-------------引用終了

この雑誌に彼女は創刊から10年間「荻原博子のマネークリニック」を連載していて、彼女たちを傍から見ていたのです。

だから、アラフィフの危なっかしい消費傾向を「そのへん」に見ているようです。

(因みに荻原博子さんは長野県上田市のご出身。)


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。

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今日のストームグラス(↓)。

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オ・マ・ケ・1(↓)。お客様からのいただき物(サンふじ?)

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オ・マ・ケ・2(今日、午前中でアブナイ目に遭ったこと3回)。3回とも、クルマの運転中。

1回目。
湯ケ洞街道を走行中、脇の農道から軽トラが飛び出してきました。ドライバーは農作業衣装に身を包んだ中年女性。こちらを見ていません。ちゃんと一時停止をして、左右を確認して下さい。間一髪、セーフ。

2回目。
これも脇道からの飛び出し車。ワンボックスでクルマの後ろには “BABY IN CAR” のステッカー。こちらのクルマを認識してはいたものの、車速等を考慮せずに飛び出してきました。当然、こちらはブレーキ(キキキキキッ)。

3回目。
今回は私が駐車場から出る時のこと。右手前には路面に「止マレ」の白表示。そこへトヨタのハイブリッド車(オバサマが運転)がやってきました。止まるモノだと思っていたら、そのままスピードを落とすことなく通過。止まる「だろう」と思って、車を前に進めずによかった。「ホッ」とした瞬間でした。

1時間足らずのうちに、こんなに「キケン」が続くなんて、Deep South は無法地帯なのか(`ヘ´) 。

昨日の日経ビジネスWEBで、刺激的なタイトルの記事を発見(↓)。

誰がアパレルを殺すのか・ファストリが恐れる米アパレル「エバーレーン」
米ファッション業界を席巻する「ブランドディスラプタ―」の波
2016年10月4日(火)

「ファストリ」はファーストリテイリング=ユニクロ。

知りませんでした、「エバーレーン」というアメリカ・サンフランシスコのブランドは。

ビックリした箇所(↓)。

-------------引用開始

エバーレーンが多くの支持を得る理由の一つが、生産過程の透明性にある。

生地や縫製、流通コストがどれくらいかかり、エバーレーンがどれくらいマージンをとるか、といった情報をオンラインで明確に開示する。

例えば、下記のシャツであれば、1枚当たり生地に16.81ドル、生産地の労働力に7.59ドル、関税で1.79ドルなど費用合計が28ドル、エバーレーンがそこに40ドルを上乗せし、68ドルで販売すると開示されている。

一方、“伝統的なブランド”では、同じ商品が140ドルで販売されているということも併記される。

-------------引用終了

販売者と購入者との間には情報の非対称性があって、圧倒的に販売者のほうが情報を多く握っています。

その情報の中から、購入者に訴求できる情報だけを提供して、「買いたい気持ち」を生成させる---これまではそのバリエーションによって、ものが売れてきました(今でも、そーゆーマーケティングが定着しています)。

当店でも、スペースの関係が許す限り、メニューに情報を載せてはいます(あれもこれも書き込んでしまうと、文字だけになってしまうので、適当なところでやめてますo(^-^))。

お客様の中にはそれをみて、メニューに載っている商品を、スマホで検索している方もいます。

インターネットの情報検索により、たかだか喫茶店ふぜいで提供されているものでさえ、その値付けにいたる生産過程の透明性が、一般人でもわかるようになりました。

便利になったモンです。

以前、みつけた次の表をご覧下さい(↓)。

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そのお店における、販売額1000円に換算したときの「内訳」です。

意外だったのは、ファストファッションの代表、ユニクロ(ファーストリテイリング)の製品原価よりも、「大人のセレクトショップ」であるユナイテッドアローズの製品原価のほうが安い、ということ。

お高くとまっている(ようにみえる)セレクトショップであっても、ユニクロよりも原価が安い---こーゆーことが一般人にもインターネットの情報検索でわかってしまう時代なのです。


記事の中でもうひとり、「GREATS(グレイツ)」創業者のライアン・バベンジエンCEOのコメントも刺激的です。

-------------引用開始

「旧来の形でのセールはしない。第一、セールがあるということは、そもそもの価格設定が誤っていることの証左だ」と従来の商習慣を切り捨てる。

(中略)

バベンジエンCEOは、米国で起きているオンライン発のブランドを「ブランドの民主化」だと表現する。

「お金を持っている人しか買えないという“ブランド”の定義が崩れ始めている。

コストの多くが、流通コストや“ブランド料”といったようなものに割かれていたと分かった今、よりフェアな商品展開が可能になり、ファッションの民主化が起きた」。

-------------引用終了

「セール」に関していえば、○クドナルドがよく値引きした価格で販売していましたね。

一方、カレーのCoCo○番屋はスプーンが当たるキャンペーンはしても、商品価格を値引きした「セール」はこれまでしたことはありません。

きっと、自社の商品の適正価格に自信があるからでしょう(ベンキョウになります)。

ということでo(^-^)、

当店でも、「オマケ」はしても、値引きはしない商習慣を開店以来続けています(^_^)。おかわり時は、別です。


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。今晩には台風襲来予報あり。

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今日のストームグラス(↓)。

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