「平成最後の」というフレーズが用いられることの多い昨今。
明日、あさってと平成最後のセンター試験です。受験生の皆さん、ベストを尽くしてくださいね。
入試問題---に関して、私立中学校の入試問題なんですが、昨年11月Yahoo!ニュースに、
麻布、開成…難関中学の入試問題が教えてくれる「学力」の本当の意味---というタイトルでコラムが載りました(こちら---既にリンク切れ)。
----------引用開始(強調BLOG主)
よく「入試は学校からのラブレターだ」と喩えられる。
私立中学の場合、入試問題はその学校の教師が作問するのが一般的だ。
麻布や開成などの最難関校では、その学校を卒業し、そのまま教師になったケースが多い。
卒業した学校の教師になるくらいなのだから、自分がその学校で受けてきた教育を肯定的に捉えている、と考えるべきだろう。
そんな先輩教師が「新しく麻布に来る後輩」に求めるのは、「知識や教養へのリスペクト」「先人の研究成果へのリスペクト」、そして「新しい知識を得る楽しさ」を共有できるかどうか、だ。
自分(教師)がおもしろいと思ったことを、目を輝かせながら聞いてくれるような生徒に来てほしいと願っている。
だから、麻布の理科入試には特徴が出る。
「君たち、世の中にはこんな不思議なことがあるんだよ。その理由はね・・・・・・」と作問者が受験生との対話を楽しむ雰囲気があるのだ。
麻布の授業はアクティブラーニングが基本。
教師は教科書を使わず、自分で作成したオリジナルプリントを使って授業を進める。
麻布の授業は、一つの答えを求めない。
一つの現象をさまざまな角度から見て考える。
ここに麻布の特徴があるのだが、やはり入試でもその「におい」が滲んでいる。
たとえば2017年度の理科。これは、これまでで一番“麻布らしい”入試だったと思う。
生物分野の「進化」をテーマにした問題の一番最後に、学校からこんなメッセージが添えてあったのだ。
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ここまでの話を聞くと、ヒトはトンボよりも優れていると思えてしまいます。しかし、ヒトはトンボとちがって飛ぶことができません。血液を使って酸素を全身に運ぶので、ヒトの体は飛ぶには重すぎるのです。進化と聞くと、生物が優れたものに変化するように思うかもしれませんが、進化で生まれるのは「ちがい」であって「優劣」ではないのです。
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このメッセージは、問題のヒントではない。
問題の途中にあるのでもない。
問1から問8までの問題と質問のあと、つまり問題用紙の最後の最後に書かれている。
ただ、書かれているだけなのだ。
つまり、これは問題ではなく「学校側から受験生へのメッセージ」だ。
入試問題を通じてメッセージを伝える……そんな「問題用紙」にいままで出会ったことがあるだろうか?
進化することは良いことも、悪いこともある。
それに気づけるような物事を複合的に見られる子が、麻布が求める生徒像なのだ。
----------引用終了
Yahoo!ニュースでは転載記事だったので、原典をググってみると、ありました(現代ビジネスの、こちら)。
いち私立学校の入試問題コンセプトがそーならば、次世代を担っていく日本のリーダーになる若者が受験する明日、あさってのセンター試験は、国家規模で行う人材育成事業であり、人材発掘事業とも言えましょう。
問題作成者の世代が直面しているニッポンの今と、これからのニッポン人に求められる能力を、センター試験で若者に「試して」みる---以前、地理Bの問題でムーミンやバイキングのビッケ、ニルス等が登場したことがありましたが、そんなの知らなくてもちゃんと答に辿り着くような理路を踏まえた思考ができるかどうか、なのです。
ガンバレ受験生!
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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。
![イメージ 1](https://livedoor.blogimg.jp/liddellcoffee/imgs/8/f/8f247ca8.jpg)
今日のストームグラス(↓)。
![イメージ 2](https://livedoor.blogimg.jp/liddellcoffee/imgs/b/1/b154575d.jpg)