昨年の河合薫さんのコラム(グローバル化でKAROUSHI 急増! 社員を壊す“加速の罠”)を読んでいて、社員を教師または生徒、上司・経営陣を校長または教育委員会、そしてスピードを進学(率)と置き換えると、
「あ~ら不思議、そのまんま病める学校に瓜二つ!」
長くなりますけど、引用しますね。
-------------以下引用
「経営陣も、なんとなくそのことは分かっていると思います。
ところが、そういう部署(BLOG主注:メンタル不全の社員をかかえる部署)って、大抵、業績が良いチームだったり、成績の優秀な人が上司だったりするので、見て見ぬふりをするんです。
私(BLOG主注:企業内保健師)は社員1人ひとりの健康を守るのが自分の使命だと思っているので、これまでも散々、問題点を指摘してきました。
でも、のれんに腕押しというか、なんというか。
問題の本質を改善する動きには、なかなかつながらない。
残念ですけど、1人の社員を守るより、企業を守ることが優先されているんです」
過労死――。
これはそのまま「KAROUSHI」と訳されるように、数年前まで、日本人特有のものと考えられてきた。
ところが、グローバル化が進み、世界規模で働く環境が激化したことで、KAROUSHIは世界的に広まっている。
フランス、イタリア、ドイツ、中国などでも、職場のストレスによるうつ病や、過労による自殺などが増えていると報告されているのだ。
なぜ、グローバル化でKAROUSHIするのか?
答えは“スピード”である。
グローバル化で競争が激化したことで、企業環境は複雑さを増した。
事業活動の数を増やし、業績目標を高くし、生産性にこだわり、スピードを重視する企業が増えた。
こういった取り組みは、短期的な競争には効果的で、企業の業績は一時的に向上する。
だが、「スピード重視の文化」を継続的に進めていると、やがて従業員のエネルギーは消耗し、やる気が失せ、手を抜くようになる。
すると、経営陣は「どうにかしなければ」と焦り、社員へのプレッシャーを強め、より労働者たちは疲弊する。
さらに、うつ病になったり、身体を壊したりする社員が出ると、残った人たちの負担は増える。
その結果、ますます労働者は疲れ果て、生産性は下がる。
つまり、「スピード重視の文化」は、長期的には企業業績の悪化を招くというわけだ。
このメカニズムを、ザンク・ガレン大学教授のハイケ・ブルック教授らは、「The Acceleration Trap=加速の罠」と呼んだ。
この「加速の罠」から脱却するには、企業は戦略を絞り、不要不急の仕事を中止し、高すぎる目標の設定を止め、休息期間を導入する措置をとることが不可欠なのだが、これがなかなか難しい。
加速して先頭に立った成功体験が忘れられないし、ネズミとりをする警察もいなけりゃ、オービスもないので、法定速度(=人間の適正速度)をオーバーしているという認識も持てない。
おまけに、中には猛スピードに耐えられる能力を持った人もいるので、業績のいいチームや、スピード狂のマネジャーを重宝し、それがスタンダードになったりもする。
「同じ状況でも元気にやってるヤツはいるぞ!」と。
近い将来には、その人たちも疲弊してしまうのに、そんなことは微塵も考えない。
ひたすら猛スピードで走り続けることを要求するのだ。
アクセルをずっと踏み続けるだけの、緊張感、集中力、体力は長く続かない。
グローバル経済のスピードは、人間の適正スピードじゃないことが、KAROUSHIが増えている背景にあると考えられるのである。
おそらく“ヤバいチーム”というのは、加速の罠から抜けられない組織か、スピード狂のリーダーのいるチームのどちらかなんじゃないだろうか。
-------------引用終了
「加速の罠」とは言い得て妙で、ベンキョウになりました。
特に引用最後の一文、“ヤバいチーム”をそのまんま「ヤバい学校(学年)」としたら、思い当たる節があるんです。
文中でこの罠への処方箋が指摘されてはいるものの、現実にはなかなかムズカシイ(変わらない組織に対する個人としての対応では、とにかく自分だけは「守りに入る」しかないんだろうし、そうしないと「壊れて」しまいかねない環境のなかでは、「個」に応じた丁寧な対応なんて、無理無理。こんなのみんながみんなできるわけでもなさそうだし)。
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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。

今日のストームグラス(↓)。

オ・マ・ケ。玄関前の乾湿計(超アナログ↓)。

11時の時点で32℃オーバー+湿球とのから読み取れる湿度は96%超!
すんごく、蒸し暑いんです、玄関前は!
(でも店内は、快適です。気温26℃、湿度49%)。