liddell coffee house リデルコーヒーハウス

【大切なお知らせ】2022年1月2日から、 次のように店の方針を変更しています。「 3名様以上の人数でのご来店は、お断りしています。」 つまり1~2人で、ご来店ください---ということです(3人以上で座れるお席はございません(_ _))。実際のところ、今は90%くらいが「おひとり様」のお客様です。

タグ:大学

遙か前のこと、テレビ番組でシリコンバレーにあるGoogleへの取材映像を見ていたら、レポーターの

「あなたはどんな仕事をされているのですか?」

という問いに、そのGoogle社の人は、

「私は、月の地図を作っています。まぁ、GoogleEarthの月版みたいなモンです。」

と、答えていたのを思い出しました。現在は、GoogleMoonとしてリリースされてます。

他にも、GoogleMarsとか、イロイロ出てるみたい。

どーゆー事なのかというと、先日も引用した新書『京大的アホがなぜ必要か』を読んでいて、次のような記述にであったからなのです。

----------引用開始(強調BLOG主)

未来のことが計算によってわかるなら、それに向けて効率よく物事を進めていけばいいでしょう。

目的地がはっきりしているなら、一般道より、高速道路を走ったほうが速いに決まっています。

しかし世界は不確実なカオスなので、その高速道路が最終的にどこに向かっているかはわかりません。

もしかしたら、途中で急に「工事中」の看板が出て先に進めなくなるかもしれない。

あるいは、ひどい渋滞が発生してにっちもさっちもいかなくなることもあります。

大地震に見舞われて、高速道路そのものが崩壊する可能性だってあるでしょう。

みんなが効率を優先してそこを走っていたら、人類はそこで一巻の終わりです。

「想定外だった」と呻いても、あとの祭り。

すべて想定できると考えていたのが、間違いなのです。

でもそのとき、効率が悪いとわかっていながらも高速道路に乗らず、いや、下の一般道からも外れて、広大な原っぱをあちこち駆け回っている「アホ」がいたらどうでしょう。

その「アホ」はさんざん無駄に走り回った挙げ句、誰も知らなかった道を見つけ出すかもしれません。

そうなったら、「あんな効率の悪いことをしやがって」と笑っていた人たちも、その「アホ」に救われるわけです。

それが、不確実な世界で人類が生き延びるために必要な学術の役割にほかなりません。

すべての学術がそうあるべきだというわけではありませんが、そういう「アホ」な学術もなければいけないのです。

いまの日本には、「選択と集中」というキーワードを掲げて無駄な研究を排除し、「役に立つ」とわかっている高速道路だけを走らせようとする傾向があります。

しかしその発想では、人間にはコントロールしきれないカオスを生き延びることはできません。

ですから私たちの社会には、一見すると無駄に思えるような学術研究が必要なのです。

『京大的アホがなぜ必要か』 酒井敏著(2019) 集英社新書 より

----------引用終了

GoogleEarthはその時点で既に身近な存在だったものの、その「月版」となると、まだビジネス的には野のものとも山のものとも、いったいどーなるのか?---まさに上記の「広大な原っぱをあちこち駆け回っている」そんなプロジェクトだったと思うのです。

しかし、

Googleでは、そーゆー研究が他にもフツーに行われている(らしい)。

酒井敏先生は、今のニッポンの大学が、そして研究者が置かれている状況を次のように見ています。

----------引用開始(強調BLOG主)

乳牛にたくさん乳を出すようにムチを打っても、乳は出ません。

むしろ、気持ちよくリラックスしてもらわなければならないのです。

「おれたちは乳牛にエサを与えるために汗を流して一生懸命に働いているんだから、乳牛も努力すべきだ」

そんなことを言っても意味はないでしょう。

エサを無理やりたくさん食べさせても、乳がたくさん出るようになるわけでもありません。

無理やりエサを与えて、ムチを打てば、乳牛は死んでしまいます。

大学や企業の研究も同じこと。

競争原理を持ち込んで、強いプレッシャーをかければ成果が上がる---という単純なものではありません。

いまの日本の科学技術政策は、まさにそこが問違っているのです。

競争を持ち込んではいけない、とは言いません。

私か言いたいのは、「生態系を壊すような過度な競争を持ち込んではいけない」ということです。

二〇〇四年の大学独立行政法人化以降、すでに日本全体の生態系としての研究開発能力が急激に落ちてきていることは、さまざまなデータが明確に示しています。

政治家や経営者のみなさんは「エビデンス」という言葉がお好きですが、それが盛大に揃っている。

ならば施策を変更すべきでしょう。

ところが政治家や官僚、財界トップの人々は「それは乳牛が努力しないせいだ」と言い張っているのです。

このままいけば、日本の科学技術は死にます。

前掲書より

----------引用終了

世の中ではdiversity(ダイバーシティー)が叫ばれる中、ニッポンの学術研究の世界にあっては「選択と集中」によって人文社会科学系は「お取り潰し」(若しくはすぐに役に立ちそうな「専門職の学校」化へ)、理系は「成果を出せ」と尻を叩かれる。

「遠い将来に何が役に立つのか」なんて誰も予測できないし、本当のイノベーションは、既成概念の外側からしか生まれてきません。

だから、でしょうか?

酒井先生は「京大が最後の砦です。頑張ってください。」---と他大学の先生から声をかけられるんだそうな。

折しも、先日こんな記事(私が一橋大学の教員を辞めた理由〜国立大に翻弄された苦しい日々)がYahoo!ニュースに転載されていました(出典元は、こちら)。


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。梅雨の一休み、しかし、午後の予報は雨と雷。

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今日のストームグラス(↓)。

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オマケ(↓三日坊主めくりカレンダー)。想像しただけで凄い光景o(^-^)。

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日本電産の永守重信会長へのインタビュー記事を日経STYLEで読んでいたら(こちら)、今年から京都学園大学の理事長になられたんだとか。

過去に何十億円も寄附していたことは知っていましたが、いよいよ学校経営へ乗り出すようです。

(当初は自分でゼロから大学を作り上げるつもりでおられたようです。しかし、なにぶん、この世界には様々な規制が多すぎるらしく、ならばと、既存の大学を自分のイメージするものへと育てていく---そんな方針。)

先ずは、大学名を来年度から【京都学園大学 → 京都先端科学大学】へと変更。

その先に、【あと10年以内に「世界199位作戦」】。

そう、英国の教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」が公表する世界大学ランキングにおいて、世界で200位以内にランクインすることを目標にしているのです。

実は、THEの2018年は、

「東大でさえ世界じゃ46位、ベスト100には東大と京大だけ。」

などと、関係者を一喜一憂(あっ、「一憂」だけか)させています。

で、

せいぜいそのTHEのランキングは、上位にランクインしたところしか報道されません。

まぁ、500位くらいまで、です(↓こちら)。

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旧帝大を中心とした難易度順に並んでいるようにも見えます(まさか、THEがそーゆーことを認識してランキングしたわけではないのでしょうが)。

科研費をはじめとしたおカネの配分比率順じゃないの!---と言いたくなる気持ちもありますが・・・・。

そーそー、言いたいのはそーゆーことではなくて、500位以下はどーなっているのだろう?---ということ。

ありました、高校生新聞に(こちら)。これをみて、私は少なからず吃驚(゚ω゚)しました(↓)。

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601-800位中、17/200が日本の大学で、801-1000位では、なんと42/200を日本の大学が占めているのです。

さすがに、ここまでは知りませんでした。

これって、日本の大学数が持つ知的資源や教育力の「分厚さ」とは言えないだろうか?(500位以下はどんぐりの背比べ、とも言えそうではありますが(_ _))。

日本電産の永守重信会長は、このTHEが指標としている審査項目(教員の対学生比率や教員1人当たりの論文被引用件数、留学生数比率など)の値をピンポイントで引き上げさえすれば、「世界199位作戦」も可能と踏んでいるようです。

なんせ、その実現のための資金は最低でも300億円、それもじゅうぶん用意がある---とのことなので。

おカネの使い方は人それぞれでしょうけれど、ZOZOの人はまだまだこーゆーふーな境地にはたどり着いていないのでしょうね。

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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。今日の飯田の予想最高気温は37℃って、体温よりも暑いじゃん。

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今日のストームグラス(↓)。

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オ・マ・ケ(↓)。偶然、こーゆーことがあると、チョットだけ嬉しい(^^ )。

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今春開学した長野県立大学。一年生には全員寮生活を経験させることになっています。

阿部守一長野県知事が東洋経済ON-LINEでのインタビューで答えているところをみるとやはり、国際教養大学の初代学長・中嶋嶺雄先生(故人)からアドバイスをいただいていたんですね。

日本人同士だけでなく、海外からの留学生と一緒に寮生活を送る---APUではそれが開学当初から実践されています。

国際教養大学にしてもAPUにしても、これからの日本の大学のひとつのモデルといっていいでしょう。

ともにダイバーシティを生活の中で実感できる仕組みがビルトインされているんですね。

で、

寮生活に関して、以前読んだインタビュー記事を思い出しました。それは、留学先での話です。

留学カウンセラー、栄陽子留学研究所所長に話を聞く---というもので、

----------以下引用(インタビュアーは鈴木信行さん)

栄:カリフォルニアやニューヨークなどの都会へ留学する学生が辿る典型的なコースは次のようなものです。

まずコミュニティ・カレッジへホームステイ先から通い始めます。

すると孤独化する。

面白くない、寂しい。

そんな時、日本人の先輩留学生が声を掛けてくる。

先輩も全く自分と同じ経験をして、既にホームステイ先から飛び出し、アパート暮らしをしている。

「寂しかったら、今日カレー作るからおいでよ。

他の日本人留学生も来るから」などと誘ってくる。

久しぶりの同胞との邂逅です。

これが、物凄く楽しい。

そのうち自分もアパートに移りたいと思うようになる。

米国のコミュニティ・カレッジの周辺には、そうやって日本人ばかりが住むアパートが沢山あります。

カリフォルニアのロングビーチにあるアパート一棟が全員日本人留学生とかそんな話がざらです。

鈴木:異国で始まる青春ストーリーほど楽しいものはない。楽しいでしょうね。

栄:楽しい。

そうやって日本人同士が異国で固まるとどうなるか。

男女がいますからね、いずれは、やれ恋愛だ、同棲だという方向に向かっていくわけです。

鈴木:楽しそうだけど、もはや英語もへったくれもない(笑)。

栄:日常生活でコミュニケーションする相手の大半が日本人ですから。

鈴木:留学したのに(笑)。

栄:そうやって中途半端な段階で帰国すると、膨大なお金と時間を使ったのにキャリアは何も積み増されない、という状況になってしまうわけです。

なので、私は最初の留学先としてこういった地域はお勧めしていません。

(中略)

栄:まずは、信頼できる機関に相談するなりして、もっと米国の教育制度や留学の仕組みを真剣に勉強することでしょうね。

いきなり米国の名の通った大学に進学できる英語力を持つ人はなかなかいないから、最初はコミュニティ・カレッジか州立大学付属の語学学校に入ることになる。

その際、必ず寮に入ることです。

学生寮がないところは問題外です。

留学で人生を棒に振る人たちはカリフォルニアやニューヨーク留学に多い。

ロス、サンフランシスコ、マンハッタンなど都会で遊んでしまうことも一因ですが、こうした地域は、学生寮がないコミュニティ・カレッジが多いんです。

留学先として若者たちはどうしてもそういう地域を選びがちですから要注意です。

鈴木:「どうせ留学するならカリフォルニアかニューヨークがいい」という考えは危ない、と。留学で人生を棒に振らない2大鉄則とは?

栄:寮に入れば放課後も学校に居場所を作れます。

ルームメイトである外国人との間でのコミュニケーションも不可欠だし、向こうはチューター制度が発達していますから、授業が終わっても勉強を教えてもらえる。

本当に英語漬けの毎日で相当辛い。

でもそうした環境に置かれて初めて、本物の英語力が磨かれていく。

高い志を持って真剣に留学に挑戦する学生は皆、情報収集だってしっかりやるし、ちゃんと寮に入りますよ。

また、同じコミュニティ・カレッジでも、小規模で先生たちの面倒見がよく、4大への進学率が高いところを選ぶのもコツです。

きちんと2年間頑張って勉強し、良い成績をとれば返済不要の奨学金付きで州立大学に編入することも出来るからです。

費用を節約して留学したいなら、教育に力を入れている州、例えばテキサスなどの学生寮付きで進学率の高いコミュニティ・カレッジへ行き、4大編入を狙うのが良い方法でしょう。


----------引用終了

大学の寮というと、私の世代はどーも「色」が付いているような気がしていて・・・・・・。

○○寮は民青の拠点だとか、○○寮は中核派のアジトだとか・・・・・・。

案の定、○○寮に入った▲△さんから、何の縁もゆかりもない私にまで突然電話がかかってきて、オルグ(のようなこと)されたりもしましたし、ねぇ。

そーいえば、昨年だっただろうか?---京大熊野寮へのガサ入れ(家宅捜索)がニュースになりました。

熊野寮は「中核派全学連」の活動拠点っていうニュースを聞いて、耳を疑いましたぜ。平成も終わろうとしている昨今、「中核派」とは!

寮はかつての学生自治から、今はダイバーシティを学ぶ場所になってきているのでしょうネ。


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。

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今日のストームグラス(↓)。

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オ・マ・ケ(↓三日坊主めくりカレンダー)。1964年の今日、「トムとジェリー」の放送開始だそうな。

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ジュエリーにゼンゼン関心の無い私、どーして人は「富むとジュエリー」になってしまうんでしょう(*´∀`*)。

先日、1冊100円で販売されていた本を購入してきました(108円ではないので、ブック●フじゃないです。また、この週末に伊那市高遠で開催されていたブックフェスでもありません。行ってないし・・・・)。

本のタイトル、

『私の「貧乏物語」』 岩波書店編集部編(2016) 岩波書店刊

各界の36人による各人各様の「貧乏物語」を綴ったエッセイ集です。

そんな中に、安彦良和さんの文もあって、 「私が貧乏だったころ」という題。

一部引用します。

-------------引用開始(強調BLOG主)

スポーツでも仕事でも金儲けでも、競争というのは本来したい人がすればいいので、「普通でいいよ」というような人はそういう修羅場の外に護られていればいい。

ところが、「さあ競争だ、キミだって勝てる!」とそそのかされると人はその気になる。

そして競争に強い貪欲な人の餌食になる。

競争の好きな人は相手が欲しいから人を競争に誘う。

「夢はかなうよ」と、甘い言葉で。

しかし万人がかなえられるような「夢」は元来夢ではないから、大方の人には夢破れる結末が待っている。

競争の結果夢をかなえるヒーローや成功者は世間の誇りだからそれはそれでいい。

問題は「競争原理」という妖しげな原理がもたらす夢の後始末である。

今人々を、とりわけ若い人達を襲っている「貧困」感覚があるとしたら、その実体はこの放置された夢ゴミではないかと思う。

「親が金持ちだったら東大に行けた」とか、「第一志望の会社に入れていれば幸せだったはず」とか「名門校で部活をやっていればスポーツヒーローになれたのに」とかいう類で、そういう機会を若者から奪っている社会にこそ問題がある、というような訳知り顔の対若者同情論には、だから僕は与しない。

-------------引用終了

右肩上がりでパイがジャンジャンと大きくなっていく時代ならまだしも、今や「削りあい」の時代です。それは世代間であったり、地域間であったり、サバイバルのためだったら否応なく巻き込まれていく---そーゆーシュリンクするニッポンなんですから。

東京で生活するには生きていくためにベースとなる出費が高く設定されており、何をするにも基本、「オカネ」換算で物事が進行していきます。

そーゆーのに違和感や「ついて行けない」感を感じ、オルタナティブなライフスタイルが地方にはけっこう多くあることを知って、「卒・東京」をする(≒競争以外の物差しを持つ)若者が増えてきている気もします(3.11以降は特に)。

次世代は彼らのモノなのですから、それをスポイルするような先行世代の皆様方、もっと他の方法もあろうかと存じますぜ。

イノベーションを担うのも、彼ら(の一部)です。リタイア層からは、そうそう生まれません。


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。

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今日のストームグラス(↓)。

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先日読んでいた本の中に興味深い「表」がありました(↓)。

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旧制高等学校のうちのナンバースクール、その設立に当たっての経費負担をどのようにしたのか、という一覧表です。

1~5までは同年同月設立。しかし、第6(岡山)はそれから6年後。

その間、「岡山vs広島」のバトルが続いていて、両県選出の国会議員が衆議院の廊下でホントに「格闘」までしていたらしい。

結局、ナンバースクールは第8までしか設立されなかったわけですが、どうしてそこでやめたのか?

日本各地で誘致合戦がエスカレートしていったこと、特に「第9高等学校」設立をめぐり、「新潟vs松本」のバトルがえげつなかったらしい(未確認ですので、念のため)。

文部省はそれ以降に設立する旧制高等学校には、番号をつけず地名をつけることになります。

そーそー、経費負担。

金沢(前田家)、熊本(細川家)、鹿児島(島津家)。

明治になってはいましたが、お殿様はちゃんと負担していたんですね。

こーゆーのをみると、「歴史の連続性」は御維新ののちも、(そして現在に至るまでも)続いている---そんな感じがします。



そーいえば旧制中学校には、藩校の名称を受け継いだ学校が日本各地にありますね(現在は県立)。

米沢興譲館(山形県米沢市)

時習館(愛知県豊橋市)

福山誠之館(広島県福山市)

修猷館(福岡県福岡市)

他にもあるのかもしれんが・・・・。

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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。台風15号、石垣島を通過したときの風速71m/sだって!

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今日のストームグラス(↓)。

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先月、文科省が「大学の設置認可時等における留意事項及び授業科目の開設状況,教員組織の整備状況,その他の設置計画の履行状況について,各大学からの報告を求め,書面,面接又は実地により調査を行い,各大学の教育水準の維持・向上及びその主体的な改善・充実に資することを目的として実施」した調査結果(=設置計画履行状況等調査)を発表しました。

マスコミは、特に目に付くところだけ、オモシロ可笑しく報道したので、記憶に残っている人も多いはず。

例えば、こんな感じ(↓)。

-------------以下引用


千葉科学大(千葉県銚子市)は、一部の講義で“レベルの低さ”が問題視されました。

たとえば「英語Ⅰ」の講義。同大のシラバス(講義計画)によると、冒頭から「be動詞」「過去形」「進行形」と、中学校レベルの内容が並びます。

「基礎数学」の講義でも、割合(百分率)や小数、四捨五入とは何か、から教え始めます。

つくば国際大(茨城県土浦市)でも、「化学」の講義が元素や周期表の説明から始まったり、「生物学」では光合成やメンデルの遺伝法則を一から学ばせたり。

-------------引用終了

といった具合。

実名で報道されたところの今年の入試状況はどうだったんでしょうか?

で、

出典に当たってみました → 文科省のこちら(pdfファイルで76ページ)。

千葉科学大学の指摘は、次のようなものでした(↓)。

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「意見」欄で目に付く文言がいくつかあります。

地方の私立大学では、

「充足率が0.7倍未満となっていることから、学生の確保に努めるとともに、入学定員の見直しについて検討すること」

私立大学の半分以上は「定員割れ」、特に地方の私立大学が危機的状況---よく言われていることですが、それをこのpdfファイルで「一覧」することができます。

もうひとつは、こんな感じ(↓)。

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こちらは特に大都市圏にあるものの、知名度がそんなに高くない大学への「改善意見」です。

有名大学の「名誉」教授(=定年退職組)を招聘してきて、

「うちの大学には、こ~~んな著名なセンセイがおられるんですよぉ~。」

的な宣伝効果を期待します。

知名度がそんなに高くない大学がそれぞれに、そーゆーことをし始めると(=部分最適を図る)、似たり寄ったりのところは同じような状況が生まれてきます。

結果、そーゆー系の大学にはご高齢の○○(招聘前の有名)大学名誉教授のお名前が並ぶことになり、あとは「棺桶人事(=亡くなるまで人事がらみでは手が付けられない)」状況が発生。

人事異動の季節になると「部分最適」よりももっとちっちゃい「自己最適(=自分の周りさえよければそれでOK)」的なことをする人もいるようです(これは大学に限ったことではなくて、アチコチの組織で)。

そーゆーいわば個人のエゴを制して、トップに立つ人がちゃんとしなくちゃいけない(=全体最適の観点)と思うんだけど、「退職年齢」を超えてまでがんばっちゃう人たちの心情って、どーゆーことなんだろう?

「しがみつかない生き方」 by 香山リカ

肩書きを村長いやもとい、尊重してくれる組織の居心地の良さ---きっと、そーゆーのがあるんでしょうねぇ。

(私はそーゆー感覚が、「さっぱりわからない(湯川学ふう)」。)

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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。今日、満月なんだけど見られそうもありません。

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そう、予想されたので昨日、東の空に浮かんでいた月を「ポチッ!」とな(↓)。

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室内から撮ったら、ガラスに店内が映り込んでしまったので、駐車場から(↓18:14撮影)。

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単行本が文庫化されると、その巻末に「解説」がつきます。

これはマンガも同じで、意外な人が解説(とも言えないものの場合もあり)を書いています。

で、

『動物のお医者さん』 文庫版 第2巻には、

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「理想の大学」論、再び

と題して、高橋三郎さんが執筆されていました。

-------------以下引用

(前略)

ストーリーは、高校生西根が、H大学構内で漆原教授に子犬(チョビ)をおしつけられたことをきっかけに、H大学獣医学部に入学し、さまざまな事件を体験していくという単純なものである。

とりたてて大事件が起こるわけでもないし、色恋があるわけでもない。

それでいて多くの読者をひきつけるのはなぜだろう。

獣医学部という珍しい素材のせいもある。

そして、もちろん登場する動物たちが可愛いためでもある。

マンガ調ではなく、リアルな描き方なのだが、かえってそれが成功している。

日本におけるシベリアンハスキー・ブームのもとになったのがチョビであることは、知るひとぞ知るである。

しかし、この作品の魅力は、なんといっても登場人物(動物も含めて)の関係のありかたにあるような気がする。

素っ頓狂な登場人物ばかりに見えるが、実は、自立した個人間の、サバサバした、しかし尊敬と愛情で結ばれた間柄といったらいいだろうか。

この作品のトボけたような暖かさはそのせいだろう。

ここに描かれた人間関係が理想の世界のものであることはいうまでもない。

だが舞台が北海道であるせいか(北のロマン!)、実際に存在しているような気になってしまう。

そして、なまじこちらも大学に身を置いているだけに、この作品を読むと楽しい気分になるとともに、苦い想いで胸が痛くなる。

その意味で、これほど強いリアリティーをもって迫って来る作品は少ないように思う。

この十月に教養部がなくなり、総合人間学部が発足することもあって、友人だちからはさまざまな質問をうけることが多い。

これまでの経緯やこれから先の難問を考えると、手ばなしで喜べる心境ではないので、「『動物のお医者さん』みたいな大学になればいいんだがな」と韜晦するこのごろである

(後略)

-------------引用終了

この文は1992年の「京大広報」433号に掲載されたのだそうな(高橋先生は、当時京大教授)。

このころ、国立大学の「独立法人化」に向けた動きの最中だったんでしょうね。

以前にも書いたことですが、このマンガによって獣医学部の志願倍率が上昇したことは、周知の事実(特に、この舞台となった札幌のH大学獣医学部→北海道大です)。

以後のヒットしたマンガで、大学が舞台となっていて、それもちょっとコアな学部で展開されるストーリー、例えば

『もやしもん』 → 農学部

『ハチミツとクローバー』 → 美大

『のだめカンタービレ』 → 音大

等々の先駆けとなった「獣医」学部の青春群像(+動物群像)。言い過ぎですね。

高橋先生は、さらに

この作品は、正統的な、そして極めて優れた「教養小説」(ビルドゥングスロマン)だと、わたくしは考えています。

とまで、言い切っています。

ここまで書くと、読みたくなってきませんか?

『動物のお医者さん』、赤棚に置いてあります。


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。これから天気は崩れるのだそうな。

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今日のストームグラス(↓)。だからなのか???(↓)

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池上彰氏は現在、東工大リベラルアーツセンターの教授という立場でもあり、自分の講義に関して学生へ試験問題も出題しています。

『この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう~池上彰教授の東工大講義・世界編』池上彰著(2012) 文藝春秋刊

の中で、どんな出題をしたのか触れていたので、以下引用します。

-----------------以下引用

私の講義では出席はとりませんが、授業中にレポートを2回書いてもらい、学期末に試験があります。

どんな試験問題か。

たとえば、

「ブータンではGNH(国民総幸福量)が提唱され、幸福を数値化するための指標がある。もし日本でGNHを取り入れるならどのような指標が適切か、あなたの考えを書きなさい」。

私が高く評価した解答のひとつがこれです。
















(本の中では、こんなに空白はありません。)





























































「幸福は主観的なものであり、数値化はできない。よって適切な指標はない」

この本の冒頭でも書いたように、大学生になったら「この説は本当に正しいのか?」と批判的に物事を見る視点をもってほしいのです。

多くの学生は幸福の指標を真面目に考えて解答してくれましたが、まず、GNHという思想そのものを疑ってみる発想が大事なのです。

その根本をよく理解した解答だと思いました。

-----------------引用終了

ふと、ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊先生のエピソードを思い出しました。

大学院生時代に講師をしていた高校の物理の試験で、

「この世に摩擦がなければどうなるのか」

との質問を生徒に出題したという話。

正解は、



















(知っている人は、知ってるこのエピソード。)














(引っ張りますね。)
















正答は「白紙答案」

(摩擦がないと鉛筆の先が滑って答案は書けない。解答を記入すると不正解。)

というものでした。

池上彰氏がどうして東工大という理系の最高学府において「リベラルアーツ」にこだわるのかというと・・・・・・・。

科学はそれをどうやって社会で生かせばいいかのベースに、「リベラルアーツ(教養)」が必要だと考えているから。

高校卒業段階までは5教科、理科・地歴公民もちゃんと万遍なくやったほうがよろしいかと・・・(文系の私でさえ高校時代理科は、物理・化学・地学・生物やったもんなぁ。どーゆーカリキュラムになってたんだろ???)。

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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。南アルプスは「荒れて」いそう。

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今日のストームグラス(↓)。

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日経ビジネス編集長の山川龍雄氏が、編集後記で次のように述べています。

-----------------以下引用

大学の講義でも企業研修でも、幅広い教養や人間性を身につけるためのリベラルアーツを重視する傾向が強まっています。

変化が激しい時代には、専門的な知識やスキルが陳腐化してしまうリスクが高く、従来の価値観や手法が必ずしも長く通用するとは限りません。

であれば、むしろ普遍的で、物事の本質を見抜く力を身につけた方が役に立つのではないか、という考えがブームの背景にあるようです。

今号の特集のテーマである禅に注目が集まるのも、同じ理由からでしょう。

(中略)

禅という漢字は、しめすへんに、単純の「単」の字で構成されています。

つまり、複雑なものをシンプルに捉え直す直観力を磨くことが修行の1つの目的です。

溢れる情報の中で何が重要なのか、本質を見抜く洞察力や忍耐力、意思力を養うことだと言い換えることもできるでしょう。

-----------------引用終了

かつてあった大学1,2年の「一般教養(パンキョー)」を「無駄」だとして解体したはずなのに、今また「教養」ですか。

でも解体時とは時代背景が違ってきているので、本当の意味で「リベラルアーツ」を必要とする学生層は、たぶん「ほんの一握り」のエリートでしょう。

彼らエリート層があまりにも「教養」がないために、欧米のエリートと伍してやっていけない現実が、ビジネスの中で露呈しているのでは・・・・・、などとguess下衆の勘ぐりをしてしまいます(こちとら、やじうまなもんで)。


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。今朝は冷えました、飯田の最低気温-5.1℃。

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今日のストームグラス(↓)。

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こんなに天気がいいのに結晶の繁殖具合は、こんなん(↑)です。

邸内見立て洛中洛外図・部分(↓)。

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清水寺あたりは「洛外」。

かつては「鳥辺野」と称された地で、京都三大葬送地のうちのひとつでした(他は、化野・蓮台野)。

「アピタ飯田店で献血」---という情報があったので、行ってきました(前回から4ヶ月ぶり)。

広い駐車場に献血車が数台止まっています。今日は日曜日だし、献血者が多く予想されるためでしょう。

で、

遠目からみても、「あれ、ミニスカサンタじゃねぇ?」

という姿が2つ。

一通り献血を終えてバスからでるとそのミニスカサンタが、

「お疲れ様でしたぁ、あちらのテントで記念品をお渡ししておりますので、ご案内いたしますぅ。」

(テント、すぐそこだし。)

「ありがとうございましたぁ。」

(いえいえ、こちらこそどうも・・・・・・。オジサンこーゆーの慣れてないから。)

テントの机でアンケートを書いて、記念品をいただきました。

それが、これまでの献血時とは違って、色んなものが入っていたのです(↓)。

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1:定番のけんけつちゃん歯磨き(オーラツー)

2:フードクリップ(「全国学生クリスマス献血キャンペーン」の文字)

3:エイトバン(長野県で用意した救急絆創膏)

4:エコバッグ

5:ケールの青汁とケールのふりかけ

6:衣類に貼るカイロ

7:カントリーマアムをはじめとしたお菓子類

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献血にも「クリスマスキャンペーン」があるらしい。

それで、今日はそのキャンペーン日。

だから、色んなものを用意して大々的に人が集まるショッピングセンターで実施しているわけだ。

説明用紙には、「長野県赤十字献血センター・飯田赤石ライオンズクラブ・飯田女子短期大学救血機クラブ」の文字。

ということは、あのミニスカサンタは飯田女子短大の子か?

で、

私に記念品を渡してくれたのは、トナカイの着ぐるみの女の子でした(ごくろうさま)。


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今日の南アルプス(↓12:00撮影)。ということで今日の開店時間は12:30~。

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今日のストームグラス(↓)。

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邸内見立て洛中洛外図・部分(↓)。

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今宮神社といえば、あぶりもち。

千本釈迦堂といえば、おかめ。

大徳寺といえば、納豆。

北野天満宮といえば、梅。

(わかってらっしゃる。)

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