『絶望の国の幸福な若者たち』の著者、古市憲寿氏が“Brutus” 2012.09.15号で、「もう少し長いスパンで悩みや心配事」をみてみると、「今しかできない悩み事だと気付く」とアドバイスしています。
新鮮な見方だったので、少し引用します。
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20代の若者の幸福度(生活満足度)を測る統計調査では、友人の多さと生活満足度に相関関係が見られます。
その理由の一つには、「友人に頼るしかない」現代の若者の置かれた状況があると思います。
政治も経済も社会全体が不安定な状況にある今、国が10年、20年後にどうなっているかわからない。
会社はいつまで持つかわからない。
家族の関係だって安心できるものではない。
地域共同体はとっくに崩壊している。
20世紀を通じて安定した生活を支えてきたあらゆる共同体が軒並み力を失ってしまっている実感がある。
そういった不安から、自己承認や生活基盤を支えるものとして、「友人との関係」が、相対的に大きく感じられるようになってきたんだと思います。
(略)
先に挙げた幸福度調査では、幸せを測るうえでの20代の一番のプライオリティは人間関係ですが、30代になると家計になり、40代から後は健康問題が多くなってきます。
年を取れば取るほど、友達関係以外のことに心配事が移っていきますから、友情の問題に悩めるというのは、人生のある時期だけにしかできない、幸せなことかもしれません。
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半径1m程度の人間関係・友人関係で悩んでいることの「時期的な賞味期間」、その発想は私にはありませんでした。
すこし見方を変えるだけで見えてくること・理解が進むことはけっこうあると思うのでした。
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今日の南アルプス(↓11:50撮影)。水墨画の世界。
