liddell coffee house リデルコーヒーハウス

【大切なお知らせ】2022年1月2日から、 次のように店の方針を変更しています。「 3名様以上の人数でのご来店は、お断りしています。」 つまり1~2人で、ご来店ください---ということです(3人以上で座れるお席はございません(_ _))。実際のところ、今は90%くらいが「おひとり様」のお客様です。

タグ:歴史

毎週木曜日(時折水曜の日もあり)は週刊文春の発売日なので買いに行ってみました・・・・・・・。

このエリア(飯田下伊那地域)には、今日の午前中までに配送されてきていません(スーパー、コンビニ、書店とも・・・・(T-T))。

Fujisan.co.jpで定期購入している an・an も水曜日発売なのですが、今日のクロネコメール便でも到着しておらず。

19日(昨日)発売のKURAは、今日クロネコメール便で届きました。

というように、書籍の物流もまだまだ「完治」していません(高速道や国道、そしてようやくJR中央東線も復旧したのに)。


で、

今日のタイトル。

『モダンガール論』 斎藤美奈子著(2000) マガジンハウス刊(現在は文春文庫)

を最初から読んでみると、明治以降の女性史を「欲望史観」で読み解いています。

おばあちゃんもお母さんも、お姉さんも、みんな同じ夢を抱えてきた---という帯コピー(マガジンハウス刊の単行本)の指摘する「夢」とは・・・・・・・。

以下、引用します。

-----------------引用開始

女の人にとっての高度成長とはなんだったのだろうか。

私はこう考える。

高度成長は、貧乏人に敗者復活戦のチャンスを与えたのだと。

戦前の良妻賢母思想なんてものは、たかだか絵に描いた餅であり、大多数の女性はその恩恵に浴してなどいなかった。

その夢が宙ぶらりんになったまま、戦時中、彼女たちは男子の不在を埋めるために「男役」をしなければならなかった。

せっかく平和な世の中になったのに、まだ「男役」をつづけろっていうの?

いやよ、そんなの。

あたしの夢を返してよっ!

高度成長は、こんな庶民の娘が成り上がる(階級を上げる一機会をつくったのだ。

もちろん戦前に主婦への道を夢みた世代はもう手遅れだ。

しかし、彼女たちは考えた。

せめて娘(孫娘)にだけはあんな苦労をさせたくない。

戦後世代の娘たちも考えた。

お母さん(お祖母ちゃん)みたいな人生だけはぜったいにいや!

かくして、高度成長期の女性の動向は、こんなふうにまとめることができる。

(1)女子の高学歴化(=女学生の急増)

(2)未婚女性のOL化(=職業婦人の急増)

(3)既婚女性の主婦化(=専業主婦の急増)

どこかでみたような気がしませんか。

その通り。

これは半世紀ほど前に都市でおきていたこととそっくりなのだ。

けれども、かつてのそれは一部の中産階級だけの話。

こんどはちがう。

右肩上がりの経済成長を背景に、下町や農村に住む庶民の娘たちまでが、女学生→職業婦人→主婦の出世コースにわれわれもと押し寄せたのである。

この動きを誰が止められただろう。

望んでも手のとどかなかった夢の暮らしが、やっと手に入るのですぜ。

-----------------引用終了

明治以降に発行された雑誌や新聞を丹念に読み込み、ちゃんと論拠を示しながら「欲望史観」という角度で女性の近代史を読み解いています。

高度成長でそこそこ豊かになった中間層の「欲望」が、そのまま親や祖父母世代に「夢」だった現実を手に入れたということでしょうか。


これは雑誌「鳩よ!」(マガジンハウス刊)に連載されていたものをまとめたものだという。

「詩」の月刊誌というジャンルにおいて、斎藤氏の「モダンガール論」は内容的に「あれぇ?」という感想を抱いていた人は多かったのではないかと勝手に思うのですが、それは余計なお世話なのかも。

2001年以降の21世紀女性史(まだ14年しか経っていないけど、その月日はコンピュータの世界の如くドッグイヤー的だし)を、彼女だったらどのように切り取ってくれるのか?

そっちのほうも興味があります。


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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。

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今日のストームグラス(↓)。

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屋根の雪とつらら、ここ(↓)まで垂れ下がってるのに、まだ落ちません。

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古地図を持って巡検するのが、いま中高年でブームらしい(火付けは「ブラタモリ」だと思う)。

それを裏付けるようにそっち系の出版物が次から次へと発刊されています。

江戸東京博物館で開催されている「大浮世絵展」のついでにミュージアムショップへ。

「江戸」と「東京」を一枚に表現した「お江戸電車めぐり」地図を購入。

江戸時代の地図に電車・地下鉄網をレイヤーしたというもので、場所の特定がしやすくて、見やすい。

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ど真ん中の江戸城は、現・皇居というのは知っての通り(↓)。

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このほか、有名どころでは

古地図の表現 → 現在の場所(何になっているか)

加州 → 東京大学本郷キャンパス

尾張殿(複数あるのですが、市ヶ谷近くの敷地) → 防衛省(自衛隊市ヶ谷駐屯地)

紀伊殿(複数あるのですが、四ツ谷近くの敷地) → 迎賓館

毛利甲斐 → 六本木ヒルズ(毛利庭園に名を残してます)

水戸殿(複数あるのですが、水道橋近くの敷地) → 東京ドーム・後楽園

本所御職地 → 両国国技館・江戸東京博物館

内藤大和 → 新宿御苑

御薬園 → 小石川植物園

というふうに、なかなか見応えがあります。

新宿・渋谷・池袋の3副都心は、「郊外」です。

それらの駅周辺は「ハタ」というカタカナがイッパイ。

そう、「畑地」だったのですね、あの時代には。

世界史との対話〈上〉〈中〉〈下〉―70時間の歴史批評』 小川幸司著(2011~12)地歴社

をご本人から寄贈していただきました。

当店の貧相な本棚にとって、ありがたいことでございます。

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いまのところは〈上〉巻のみ、拝読いたしました。

著者の博覧強記ともいえる知識量に圧倒されます。

が、それはあくまで「入口」であって、世界史を学ぶことを通して「知識ではなく『考え方』を学ぶ」ことが全講で通底している点に、著者の思いを感じました。

私は同時進行的に複数の書物を読み散らかしています。

『武器としての交渉思考』瀧本哲史著(2012)でも、同様のことをメッセージにしていたため、ちょっと驚きました。

-----------------以下引用

漠然と知識を積み重ねるのではなく、その知識を判断、行動に結びつけたり、それをもとに横断的・俯瞰的にものごとを捉えることができるような人間になってほしいと思っています。

そうすれば、自分の人生を自分のカで切り開いていくことができるようになるでしょう。

知識ではなく考え方を学ぶ」というのは、言い換えると、「答えではなく、答えを出す方法を学ぶ」とも言えます。

ビジネスにも人生にも、「正解」なんてものはありません。

自分の力でひとつずつ答えを出していかないといけない。

でもこれまでは、ビジネスにしろ人生にしろ、なんとなくモデルがあって、一生懸命それを真似して、みんなに合わせていれば特に問題はありませんでした。

要は、正解(みたいなもの)があったのです。

100点満点のテストで100点を目指していれば、それでよかった。

東日本大震災の際、新宿駅でタクシーの列に500人以上の人間が並んでいる光景を見て私は心底驚きましたが、自分で答えを出せるようにならないと、本当に行列に10時間並ぶだけの人生になってしまいます(それでも、これまでは辛抱していれば必ずタクシーがやってきて、乗ることができました。でもこれからの時代は、行列に並んだところで、タクシーが来ない可能性すらある……)。

-----------------引用終了

実はもう一つ、岩瀬大輔(ライフネット生命副社長)氏もコラムで同様のことを述べていました。

彼はまだ30代で、現社長の出口治明氏とライフネット生命を立ち上げた人物です。

大学生時代、司法試験を受験していた時の話。

筆記試験には合格したのに、口述試験では落とされてしまった。

自信があったのに落とされたので不満に思っていたそんなある時、司法試験の学校で口述の模擬試験の添削の手伝いをすることになります。

答案の多くは、「僕はこれだけ勉強しました」

「私はこれだけ覚えています」

のアピールばかりだったのだそうです。

つまり知識を誇っているわけ。

口述試験では「知識」以上に、「考え方」が問われるのです。知識は考え方を伝えるための道具に過ぎない。

なのに、答案の大半は、知識が9割以上で自分の考えはほとんどなし。これじゃあ合格できません。

---そんな内容でした。

閑話休題。

『世界史との対話〈上〉〈中〉〈下〉』は、ぜひとも歴史教育の現場に携わっている皆さん(教員+生徒)に手にとってほしい一冊です(特に、受験生と化す前の高校生がこれを読んだら、教科書の行間に詰まっている歴史を、自分の部屋にいながら旅することができるはずです)。

装丁も三冊並べてみると、ブリューゲルの「バベルの塔(上)」「子供の遊戯(中)」「ゴルゴダの丘への行進(下)」となっており、見た目重厚さを感じますが、これは本の内容とリンク(関連講あり)したものになっています。

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今日の南アルプス(↓11:00撮影)。霧で何も見えません。こちらは雪ではなく、雨です(ホッとしました)。

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今、私が居を構える町では「県内初」の富本銭が出土しました。

町の公式ホームページ(博物館「時の駅」)では、ここに説明あり。

(実はまだ「時の駅」には行ったことがありません。「いつかは・・・(行こう)」と思いつつ既に1年以上が経過。)

で、これです(↓)。

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明日香村へ行ったときの記念に購入したものが出てきました。

解説には・・・・。

-----------------以下引用

富本銭は、日本書紀にも記されている、天武12年(683)の貨幣で、日本最古のものです。

これまで日本最古の貨幣とされてきた「和同開珎」よりも四半世紀早く鋳造されたといわれています。

富本という字は、「続日本紀」の中にある「民を富ませる本(もと)は食と貨幣にあり」という文言に由来する可能性が高いといわれています。

左右に並ぶ七星は、陰陽五行思想の、陽(日)と陰(月)と、木・火・土・金・水との七曜を表しています。

又、円形方孔銭の形状は、古来の中国において「乾坤を形どる」という考えを象徴しています。

富本銭には「天地、万物が調和のとれた姿であるように」という願いが込められていたようです。

これは当時とほとんど同じ鋳造技術で復元された「富本銭」です。

富本銭が使われていた当時から、驚くほど発達した今の世の中ですが、変わらない何かと、1300年の時の流れに思いを馳せて頂ければと思います。

財団法人 明日香村観光開発公社

-----------------引用終了

「変わらない何か」って?

あんまりに投げかけがアバウトすぎないか!

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上野公園内にある日本の博物館の総本山、東京国立博物館。

国立博物館は東京・京都・奈良・九州(太宰府市)の4つ。

このうち「奈良」には行った記憶がない。

この種類の博物館は規模が大きくて、とても全部見て回れないため企画展だけを見て常設展はすっとばす、というふうになりがちです(かくいう私も)。

しかし、ミュージアムショップだけには必ず足を運びます。

で、“TOKYO NATIONAL MUSEUM”

お正月の「穴場」です。ほら(↓)。

http://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=dtl&cid=5&id=5848
(2日は中谷美紀がくる!)
(毎日先着1400名様に土偶ストラップ(海洋堂製)をプレゼント)

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何となく見てわかるとおり・・・・・・。

アップ(↓)。

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the JAPAN TRADITONAL









タグ(↓)。

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世界史の本をいただきました。

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上中下の3巻になる予定だそうです。

上巻の巻末に補論として「世界史教育のあり方を考える」という論文が載っています。

もともと「歴史学研究」という【業界誌】に掲載された時の論文を改題したものだそうですが、ちゃんと副題も付いていて(当初こっちの副題で業界誌に掲載)、それは「苦役への道は世界史教師によってしきつめられている」というもの。

その論文、
「こりゃ、反響を呼ぶわけだ!」

というくらい刺激に満ちています。でもちゃんと最後には処方箋が示されているので、そこから話のとっかかりになります。

お薦め
ISBN978-4-88527-203-5

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今日の南アルプス(↓11:30撮影)。朝のwalking時と比べると雲が多くなってきており、天気は下り坂に向かっています。

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