年、高野山に行ったとき金剛峯寺の売店で購入したカレーがありまして、その名も「高野山 心に優しい精進カレー」(↓)。
精進カレーと称しているとおり、パッケージの表、下欄(赤○箇所)には、これらを使用していませんイラスト入り(↓アップ)。
肉無し、魚無し、玉葱無し、ニンニク無し、そして化学調味料も無し。
一般的なカレーから、これらを除いてしまうと、それはもう、カレーと称していいものか?---などと思ってしまいます。
なんせ、「精進」カレーですから、それらに替わるモノが用いられています。原材料欄を見てみましょう(↓)。
なんてヘルシーな「具材(赤線箇所)」ばかりなのだろう!---と、ちょっと引いてしまいますぜ。
加えて、カレー粉に該当するスパイス類(青線箇所)。
「えっ、スパイスって、これだけしか入ってないのか?」
よく、カレーのルーには「30種以上ものスパイスを使用!」とか、書いてあるお品もありますよね。それらと較べると、何てシンプルなんだ。
お皿へ(↓)。
具材をアップ(↓)。
見てわかるとおりなんですが、
1:高野豆腐 2:こんにゃく 3:人参 4:大豆 5:しいたけ---以上です。
あっ、そーそー原材料欄のどこを見ても「油」系のモノが記されていません。一般的に牛脂、豚脂由来の「油」や植物油が用いられているのがフツーなんですが、そーゆーモノは一切なし。
上の画像、青線箇所のスパイスの「お味」がします。これをカレーって言えば、カレーなんでしょうけれど、私の捉え方としては、むしろ、これは「精進料理のお汁」のような気がします。
パッケージの裏側には、「五観の偈」という、僧侶の行う食事作法の一文---が掲載されています(↓)。
一、功ノ多少ヲ計リ彼ノ来拠ヲ計レ
いかにしてこの食事ができあがったか、それぞれにたずさわった人々の苦労を抵し量ることが大切である。
二、己ガ徳行ノ全力闕力多力減力ヲ忖レ
自分自身の行や徳(正しい行い)が、多いのか少ないのかを思い計ってください。
三、心ヲ防ギ過ヲ顕スハ三毒ニ過ギズ
食に対する執着やむさぼりは、目先の煩悩から起こるものであることを知リましょう。
四、正シク良薬ヲ事トシ形苦ヲ済ハンコトヲ取レ
食事は、この身を養う良薬であリ、飢えや渇き、健康を保つ為に摂るものである。
五、道業ヲ成ゼンガ為ナリ、世報ハ意二非ズ
食事をいただくことは仏道修行を成就する為であり、世間の名声を得る為ではありません。
---と、あるのでした。
このお品、監修は【高野山真言宗 総本山金剛峯寺内こうやくん商品化プロジェクト】だそうです。
「ごちそうさまでした。」